事業計画
(じぎょうけいかく/Business Plan)
- 文書で確認(海外)
- 1985年
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
売上と費用の見通しを、それを実現する施策と人員の前提とあわせて示した計画です。
提唱者と登場年
特定の提唱者はいません。事業計画書の書き方を主題にした早い時期の文書として、Harvard Business Reviewの1985年5月号に掲載されたStanley R. RichとDavid E. Gumpertの「How to Write a Winning Business Plan」があります。同記事は、新しい事業を始めるとき、既存の製品に追加の資金を求めるとき、社内で新しい活動を提案するときのいずれにも、事業計画書の準備が必要になると述べています。
同誌の1997年7-8月号では、William A. Sahlmanが、新しい会社の詳細な財務予測は想像の産物であり、多くの事業計画書が数字に紙幅を割きすぎていると指摘しています。
何を解決するか
事業の目標だけを掲げても、そこに至るまでに何人が必要で、いくら使い、いつ資金が足りなくなるかはわかりません。事業計画は、売上の見通しと、それを生むための施策、人員、費用を1つの表につなげます。
計画があると、採用の人数と時期を、売上や開発の目標から逆算して決められます。前提となる数字が変わったときに、どの計画をどれだけ動かすかも計算できます。米国中小企業庁は、融資や出資を求める場合に、今後5年分の損益、貸借、資金の見通しを示すよう案内しています。
実際の進み方
まず、売上の前提を置きます。顧客数、単価、解約率など、売上を構成する数字をそれぞれ見積もります。
次に、その売上を実現する施策と人員を決めます。営業を何人採用すれば何件の商談を進められるか、開発を何人採用すればいつまでに機能を出せるかを置き、人件費とその他の費用を月ごとに積み上げます。
そのうえで、実績と比べて見直します。月次や四半期で計画との差を確認し、前提が外れた箇所から計画を更新します。採用計画もこの更新にあわせて変えます。
導入でよくある失敗
- 売上の目標から逆算せず、各部署の希望人数を足し合わせて人員計画を作る。費用が売上の見通しと合わなくなります
- 計画を一度作ったまま更新しない。前提が外れても採用が当初の人数で進みます
- 数字の精度にこだわり、前提の妥当性を議論しない。Sahlmanが指摘したように、新しい事業の財務予測はもともと不確かです
求人票にこの語がある場合に読み取れること
経営企画や事業企画の求人では、事業計画の策定と進捗の管理が中心の役割になります。部門の責任者の求人で「事業計画の達成」が書かれている場合、担当部門の売上や費用の目標に責任を持つ役割だと読み取れます。
採用担当者にとっては、採用計画の根拠になる文書です。求人を出す前に、その採用が事業計画のどの前提から来ているかを確認してください。前提が変わると採用の人数や時期も変わるため、候補者に入社後の役割を説明するときの根拠にもなります。
隣接手法との違い
| 用語 | 中心にあるもの | 事業計画との違い |
|---|---|---|
| 予算 | 年度ごとの費用と売上の枠 | 1年の管理が中心。事業計画は複数年の見通しと前提を含む |
| 採用計画 | 採用の人数・時期・職種 | 事業計画の前提から導かれる下位の計画 |
| 経営戦略 | どの市場でどう競うかの方針 | 方向を決める。事業計画はそれを数字と人員に置き換える |
出典
- How to Write a Winning Business Plan(Stanley R. Rich、David E. Gumpert、Harvard Business Review、1985年5月号。起業や新規事業の提案で事業計画書を書く方法を扱った記事)
- How to Write a Great Business Plan(William A. Sahlman、Harvard Business Review、1997年7-8月号。新しい会社の詳細な財務予測は想像の産物だとし、人・機会・環境・取引条件を重視する記事)
- Write your business plan(米国中小企業庁。従来型とリーンスタートアップ型の2種類の事業計画の構成と、5年分の財務予測の記載)