0→1・1→10

ぜろいち・いちじゅう/ゼロイチ/Zero to One / One to Ten

起点・背景(海外)
2014
更新
2026-09-16

一言でいうと

事業の段階を表す言い方で、0→1は事業を成り立たせる段階、1→10は成り立った事業を再現して広げる段階を指します。

提唱者と登場年

Peter Thiel と Blake Masters は、2014年の書籍『Zero to One』でこの対比を示しました。同書は、まだ無いものを作る行為を0から1、既にあるものを複製して広げる行為を1から n として区別しました。前者は新しい技術や仕組みを生み、後者は既知の方法を横へ展開する営みだとしています。

国内では、ここから派生した0→1・1→10・10→100という3段の言い方が使われています。3段の区切りに定まった基準はなく、段階の呼び名として使われている表現です。

各段の呼び方は企業によって用法が異なります。以下は、求人票や面談で使われる代表的な区切り方です。

何を解決するか

事業の経験を年数や規模だけで表すと、判断の材料になりません。売上10億円の事業を作った経験と、売上10億円の事業を引き継いで運営した経験では、必要だった判断がまったく違います。段階で表すと、その人がどちらの局面を担当したかを短く伝えられます。

採用でも同じ問題が起きます。求人票に「事業拡大フェーズ」とだけ書くと、応募者は自分の経験が合うかどうかを判断できません。段階を明示すると、求める経験の輪郭が伝わります。

実際の進み方

0→1の段階では、顧客の課題と解決策が噛み合う状態を探します。決めた計画を実行するよりも、前提を確かめて方針を変える判断が中心になります。人数は少なく、役割の境界も曖昧です。

1→10の段階では、成立した売り方と作り方を再現できる形に整えます。営業の型、導入の手順、開発の進め方を標準化し、人を増やしても品質が保てる状態を作ります。

10→100の段階では、複数の製品や市場へ広げます。組織の階層が増え、制度と権限の設計が仕事の中心に移ります。

導入でよくある失敗

  • 求人票に段階を書かず、「急成長中」とだけ書く。応募者は担当範囲を読み取れません
  • 担当したフェーズ名だけで適性を判断し、標準化や制度設計の実績を確認しない
  • 段階が変わったのに、前の段階の進め方を続ける

求人票にこの語がある場合に読み取れること

「0→1の経験」と書かれている場合、決まった手順のない状態で判断してきた経験を求めていると読み取れます。「1→10の経験」なら、仕組み化と人員の拡大を担当した経験です。応募者の経歴からこの区別を読み取るには、在籍時の組織規模と、本人が決めた範囲を確認してください。

隣接手法との違い

用語指すものこの語との違い
資金調達ステージシード・シリーズAなど、調達の段階資金の区分。事業の段階とは必ずしも一致しません
プロダクトマーケットフィット製品が市場に受け入れられた状態状態の判定。0→1の到達点として位置づけられることがあります
課題解決フィット課題と解決策が噛み合った状態PMF より前の段階の判定

出典