P/L
(ぴーえる/損益計算書/Profit and Loss Statement)
- 起点・背景(海外)
- 1494年
- 更新
- 2026-09-16
一言でいうと
一定期間の収益と費用を並べ、利益がどう生まれたかを示す計算書です。求人票では、その数字に責任を持つ立場という意味でも使われます。
提唱者と登場年
系譜は複式簿記に遡ります。英語版 Wikipedia は、13世紀末のフィレンツェの商人 Amatino Manucci の元帳を現存最古の記録として挙げ、Luca Pacioli が1494年にヴェネツィアで刊行した『Summa de arithmetica』でこの体系を成文化したとしています。収益と費用を対応させて期間の利益を出す考え方は、ここから続いています。
日本では、会社計算規則が損益計算書を計算書類の一つとして定めています。上場・非上場を問わず、会社法にもとづいて作成する書類です。
何を解決するか
手元の現金の増減だけでは、事業が儲かっているかどうかを判断できません。入金と支払いの時期は取引の発生時期とずれるため、現金の動きだけでは、その期間の収益性を判断できません。P/L は、取引が発生した期間に収益と費用を割り当て、期間ごとの利益を比較できる形にします。
採用の文脈では、派生した表現が使われます。事業部やプロダクトの単位で収益と費用を集計し、その利益に責任を持つ立場を「P/L 責任を持つ」と言います。計算書そのものを指す語ではなく、責任範囲を表す言い回しです。求人票にこの語が出てきたときは、責任範囲の説明であることが多くなります。
実際の進み方
上から順に、売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、営業外の損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益、当期純利益と並びます。どの段の利益を取るかによって、読み手が評価している対象は異なります。営業利益は本業の成果、経常利益は財務活動を含めた成果を示します。
事業部ごとの P/L を作る場合は、共通費の配賦方法を先に決めます。本社費用や共用のインフラ費用をどの基準で割り当てるかによって、同じ事業部の利益が変わるためです。
導入でよくある失敗
- 売上だけを目標に置き、原価と販管費の管理を事業部の外に出す。利益への責任が成立しません
- 共通費の配賦方法を決めずに事業部別の P/L を作り、数字の解釈で議論が止まる
- 現金の残高と利益を同じものとして扱う。黒字でも資金が尽きる状態は起こります
求人票にこの語がある場合に読み取れること
「P/L 責任」と書かれている場合、売上だけでなく費用の管理も担当範囲に入ります。どの段の利益までを担当するのか、採用と投資の決裁をどこまで持つのかを確認してください。売上責任のみを指して P/L 責任と書いている求人もあり、実際の権限は会社ごとに異なります。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | P/L との違い |
|---|---|---|
| 貸借対照表(B/S) | 時点の資産・負債・純資産 | 時点の残高。P/L は期間の増減 |
| キャッシュフロー計算書 | 期間の現金の増減 | 現金の動き。P/L は取引の発生にもとづく |
| EBITDA | 利払い・税・減価償却前の利益 | P/L の数字から計算する指標 |