EBITDA
(いーびっとだー/Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)
- 登場(海外)
- 1970年
- 更新
- 2026-09-16
一言でいうと
利息・税金・減価償却費・無形資産の償却費を差し引く前の利益で、資本構成や償却の影響を調整して収益性を比べるために使います。
提唱者と登場年
英語版 Wikipedia は、1970年代に投資家の John Malone がケーブルテレビ・通信事業の評価手段として用い、1株当たり利益よりもこの指標を重視したと記述しています。設備投資が重く、借入を使って成長する事業では、減価償却費と支払利息が利益を押し下げるため、事業の収益性が純利益に表れにくいという事情がありました。同記事は、ドットコム期に技術系企業の評価手段として再び注目されたとしています。
米国の会計基準では正式な指標として認められていません。米国証券取引委員会は2003年の規則で非GAAP指標の開示条件を定め、純利益との調整を示すよう求めています。
何を解決するか
資本構成と会計方針が違う会社どうしを、同じ土俵で比べられません。借入の多い会社は支払利息が、設備を自社で持つ会社は減価償却費が利益を押し下げます。EBITDA は、利息・税金・減価償却費・無形資産の償却費を調整し、償却前の収益性を比較する数字を作ります。
買収の検討でも使われます。買収後は資本構成も税負担も変わるため、対象事業の稼ぐ力だけを取り出して評価する必要があります。
実際の進み方
営業利益に減価償却費と無形資産の償却費を足し戻す計算が一般的です。純利益から出発して、税金・支払利息・減価償却費を順に足し戻す方法もあります。どちらの経路で算出したかによって値が変わることがあるため、比較するときは計算方法を先に揃えます。
企業が独自の調整を加えた「調整後EBITDA」を開示することもあります。一度きりの費用や株式報酬を除く例が多く、除外した項目の一覧を確認しないと比較になりません。
導入でよくある失敗
- EBITDA を現金の増加額として扱う。運転資本の増減、税金、利払い、設備投資は差し引かれていません
- 設備投資の必要な事業で、減価償却費を実在しない費用として扱う。将来の更新投資は必要です
- 調整後EBITDA の調整項目を確認せずに他社と比べる
求人票にこの語がある場合に読み取れること
投資ファンドの出資先や、買収・上場を前提にした会社で使われます。この語が目標として置かれている場合、採用も含めた費用の管理が厳しく問われる環境だと読み取れます。CFO や経営企画の求人では、指標の定義と算出方法を誰が決めているかを確認してください。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | EBITDA との違い |
|---|---|---|
| 営業利益 | 本業の利益(減価償却費を控除後) | 会計基準上の利益。EBITDA は償却前 |
| 営業キャッシュフロー | 本業で生み出した現金 | 運転資本の増減を反映する。EBITDA は反映しない |
| 粗利率 | 売上から原価を引いた割合 | 原価だけが対象。EBITDA は販管費まで含む |