ランウェイ

(らんうぇい/Runway)

文書で確認(海外)
2006年
更新
2026-09-24

一言でいうと

いまの手元資金で、事業を何か月続けられるかを示す期間です。

提唱者と登場年

特定の提唱者はいません。文書で確認できる例として、投資家のPaul Grahamが2006年10月に書いた「The 18 Mistakes That Kill Startups」があります。Grahamはこの文章で、黒字化していないスタートアップには資金が尽きるまでの時間が決まっており、それがrunwayと呼ばれることがあると書いています。

Grahamは2015年10月の「Default Alive or Default Dead?」で、いまの支出と売上の伸びのまま進んだ場合に、資金が尽きる前に黒字化できるかどうかを確かめるよう勧めています。ランウェイの月数だけでなく、その期間内に何が達成できるかを問う書き方です。

何を解決するか

赤字の段階にある企業では、次の資金調達や黒字化までに残された時間が、あらゆる計画の上限になります。手元資金の額だけでは、それが長い期間なのか短い期間なのかを判断できません。

ランウェイは、手元資金を月々の現金の減少額であるネットバーンで割り、残りの期間を月数で示します。月数で示すと、採用、開発、調達の準備にかかる時間と同じ単位で比べられます。資金調達には準備と交渉の時間が要るため、ランウェイがその時間より短くなる前に動き始める必要があります。

実際の進み方

まず、手元資金の額とネットバーンを確定します。ネットバーンは、月々の支出から確実に見込める入金を差し引いた額です。

次に、単純な割り算で月数を出します。手元資金が1億2千万円で、ネットバーンが月1千万円なら、ランウェイは12か月です。

そのうえで、将来の変化を織り込みます。Andreessen Horowitzは、月々のネットバーンは一定ではないため、売上と支出の伸びの両方を考慮するよう述べています。採用で人件費が増える月、売上が伸びて入金が増える月を置き、月ごとに残高を積み上げて資金が尽きる月を求めます。

導入でよくある失敗

  • 現在のネットバーンで割っただけの月数を使う。採用が進むほど支出が増え、実際の期間は短くなります
  • 契約が決まっていない売上を入金として見込む。期間を長く見積もります
  • 調達にかかる期間を考慮しない。ランウェイが短くなってから調達を始めると、交渉に使える時間が限られます

求人票にこの語がある場合に読み取れること

求人票にランウェイの月数が書かれることは多くありません。一方で、カジュアル面談や面接では、候補者から資金の見通しを質問されることがあります。

採用担当者は、答えられる範囲をあらかじめ経営陣と決めておいてください。直近の調達時期と、次の調達や黒字化までの見通しを説明できると、候補者は入社後の事業の継続性を判断できます。説明できない場合、候補者は判断材料が不足したまま選考を進めることになります。

隣接手法との違い

指標中心にあるものランウェイとの違い
バーンレート月々に消費する現金の額速さを示す。ランウェイは残りの期間を示す
手元資金ある時点の現金と預金の残高金額で示す。ランウェイは月数で示す
黒字化収入が支出を上回る状態到達すればランウェイの制約がなくなる

出典