書類選考通過率
(しょるいせんこうつうかりつ)
一言でいうと
書類選考の対象になった候補者のうち、次の選考段階へ進んだ人の割合です。
もう少し詳しく
書類選考通過率の値は、分母をどう定義するかで大きく異なります。求人媒体からの応募、スカウトへの返信、人材紹介会社からの推薦は、書類選考に届くまでの絞り込みの段数がそれぞれ違います。紹介会社の推薦は、紹介会社が要件と照合したうえで届くため、媒体からの応募と同じ基準では比べられません。経路を混ぜて1つの率にすると、経路の構成比が変わっただけで率が上下します。
通過率が低いことは、必ずしも母集団の質が低いことを意味しません。要件が現実の候補者層に対して厳しすぎる場合も、求人票の書き方が曖昧で要件に合わない応募が集まる場合も、同じように通過率が下がります。原因が要件側にあるのか、集め方にあるのかを分けて確かめます。
厚生労働省の「公正な採用選考」は、応募書類に就職差別につながるおそれのある事項を含めないこと、採否を職務遂行に必要な適性・能力の基準で決めることを求めています。通過の基準を文書にしておくと、この考え方に沿っているかを後から点検できます。
実務でどう使うか
経路別と職種別に分けて、月単位または四半期単位で集計します。あわせて、見送った理由を「必須要件の不足」「経験年数の不足」「志向の不一致」のように分類して記録します。理由の内訳が偏っていれば、要件定義か求人票のどちらを直すべきかが判断できます。
よくある失敗
- 全経路を合算した通過率で判断する。経路ごとの差が平均の中に隠れます
- 通過率だけを見て基準を動かす。緩めれば後段の面接で見送りが増え、厳しくしすぎれば本来通すべき候補者を書類の段階で落とします
- 見送りの理由を残さない。率が下がった原因を後から特定できません
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| 書類選考 | 提出書面で次へ進めるかを決める工程 | 工程そのもの。通過率はその結果を測る指標 |
| 歩留まり | 各段階で次へ進んだ割合の総称 | 書類選考通過率は歩留まりの1つ |
| 面談設定率 | スカウトに返信した候補者のうち面談の日程が確定した割合 | 分母が返信者。書類選考との前後関係は経路によって変わる |