採用単価
(さいようたんか/Cost Per Hire)
一言でいうと
一定期間の採用にかかった費用の合計を、その期間の採用人数で割った1名あたりの金額です。
もう少し詳しく
採用単価は、分子に何を入れるかで値が大きく異なります。外部に支払う費用には、求人媒体の掲載料やスカウト送信の料金、人材紹介会社への手数料、採用広報の制作費、採用代行の委託費があります。社内の費用には、採用担当者の人件費のうち採用に使った分、面接官を務めたエンジニアの工数、ATSなどのツールの利用料があります。外部費用だけで計算した単価と、社内工数まで含めた単価は、同じ採用でも別の値になります。
人材紹介の手数料は、職業安定法第三十二条の三が定める範囲で徴収されます。厚生労働省は求人者向けの資料で、手数料には厚生労働省令で定める上限制手数料と、事業者が届け出た手数料表にもとづく届出制手数料があること、実際に支払う額は個別の契約で定められることを示しています。紹介経由の採用単価は、この契約内容によって決まります。
経路ごとの単価を比べる際は、費用が発生する時期のずれにも注意します。媒体の掲載料は採用の成否にかかわらず発生し、紹介手数料は紹介会社との契約で定めた時点で発生します。
実務でどう使うか
算入する費用の範囲を最初に決め、文書にします。社内工数を含める場合は、面接1回あたりの時間と参加人数から工数を見積もる計算方法も決めておきます。
単価は、経路別と職種別に分けて算出します。全体の平均単価だけでは、高い経路を減らすべきか、安い経路の母集団を増やすべきかが判断できません。単価の低い経路でも、定着率が低ければ再び採用の費用がかかるため、入社後の定着とあわせて比較します。
よくある失敗
- 外部費用だけで単価を算出し、紹介経由が常に高く見える。スカウト文面の作成や日程調整など、自社で運用する経路にかかる工数が比較から抜けています
- 年度をまたぐ費用を計上する時期を決めずに集計する。前年の掲載料が今年の単価に混ざります
- 単価を下げることを目標にする。必要な人数を採用できない状態でも数字は改善して見えます
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| エージェントフィー | 人材紹介会社へ支払う手数料 | 採用単価を構成する費用の1つ |
| CAC | 顧客1社を獲得するのにかかった費用 | 対象が顧客で、事業の指標 |
| 採用予算 | 採用活動に使える費用の上限 | 事前の計画値。単価は実績から算出する |