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CPO・CRO・CSOの採用|役割の違いと要件の書き分け

CPO・CRO・CSOは、いずれも事業の成果に責任を持つ経営層の役職ですが、担う範囲が異なります。3つの役職とVP職の違い、会社の段階ごとに最初に置く役職、求人票で要件を書き分けるときに押さえる点を整理します。

永井涼平HRdev代表

CPO・CRO・CSOは、プロダクトや売上の成果に責任を持つ経営層の役職です。事業が伸びてきた会社では、こうした責任者を経営層に置く検討が始まります。

ただ、これらの役職名は会社によって指す範囲が異なります。同じCROでも、営業組織の責任者を指す会社もあれば、マーケティングからカスタマーサクセスまでを一人の責任者の下に置く会社もあります。役職名だけで募集を始めると、候補者ごとに想定する役割がばらばらになり、面接で話がかみ合わなくなります。

この記事では、3つの役職とVP職の違いを整理したうえで、会社の段階ごとに最初に置く役職、求人票で要件を書き分けるときに押さえる点、候補者の探し方を紹介します。

CPO・CRO・CSOはそれぞれ何に責任を持つのか

3つの役職は、何の成果に責任を持ち、どの部門を統括するかが異なります。

役職

責任を持つ成果

主に統括する部門

経営会議での役割

CPO(Chief Product Officer)

何を作るかの方向と、プロダクトへの投資の成果

プロダクトマネジメント、会社によってはデザイン

プロダクトへの投資配分を提案・決定する

CRO(Chief Revenue Officer)

売上の計画と実績

営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど収益に関わる部門

売上の見通しと、部門をまたいだ施策の配分を担う

CSO(Chief Sales Officer)

営業組織の売上目標の達成

営業

営業の戦略と組織の拡大を担う

なお、CSOはChief Strategy Officer(経営戦略の責任者)やChief Security Officer(情報セキュリティの責任者)の略として、CPOはChief Privacy Officer(個人情報保護の責任者)の略として使われることもあります。求人票でこれらの略称を使う場合は、どの意味かを本文で明記しておくと、候補者の誤解を防げます。

CROとCSOの違い

CROとCSOは、どちらも売上に関わるため、違いが分かりにくい役職です。

CSOは営業組織の長で、責任の範囲は営業に限られます。CROは営業に加えて、マーケティングやカスタマーサクセスまでを横断して統括し、新規の受注から契約の継続までの売上全体について、計画と実績の責任を担います。部門ごとに責任者がいて、部門のあいだで顧客の受け渡しがうまくいっていない会社では、CROを置いて横断の責任者を一人に定めることがあります。

CxOとVP職の違い

CxOと並んで検討されるのが、VPoP(VP of Product)やVP of SalesといったVP職です。VP職は、担当する部門の組織と実行に責任を持つ役職です。CxOが経営として方向を定め、VP職が組織の責任者として実行を担う、という分担になるのが一般的です。

ただ、創業から間もない会社では、CxOが組織の運営まで担うことも多く、どちらの役職名を使うかは会社によって異なります。役職名より先に、経営会議に参加して投資の判断に関わるのか、決まった方向の中で組織の運営を担うのかを定めておくと、募集の内容がはっきりします。

会社の段階ごとにどの役職から置くか

どの役職を最初に置くかは、事業のいまの課題がプロダクトにあるのか、売上にあるのかで判断します。役職名から決めて募集を始めると、面接のたびに求める役割が変わり、要件が定まらないまま選考が進むことがあります。解決したい課題から逆算して役職を決めておくと、要件がぶれにくくなります。

  • プロダクトが顧客の課題に合っているかを検証している段階:CPOか、プロダクトを担うVPoPを先に置く

  • プロダクトが顧客に受け入れられ、売上を伸ばす段階:営業の組織を作るCSOかVP of Salesを置く

  • 営業・マーケティング・カスタマーサクセスの部門が分かれ、部門をまたいだ連携が課題になる段階:CROを置く

事業フェーズによって、同じ役職でも求める経験は異なります。売上を伸ばす段階で採用するCSOであれば、自ら顧客に会って受注を作った経験を確認します。組織が大きくなってから採用するCSOであれば、営業の仕組みと組織を整えた経験を確認します。

求人票で要件をどう書き分けるか

CxO層の求人票では、役職名と一般的な職務の説明だけでは、候補者が自分に合う募集かどうかを判断できません。次の4点を、自社の言葉で具体的に書いておきます。

入社後1年で任せたい成果

「プロダクト戦略の策定」「売上の最大化」といった書き方では、どの会社の求人票でも同じ内容になります。入社後1年で何を達成してほしいかを、事業の状況とあわせて書くと、候補者は自分の経験が生きるかを判断できます。

  • 抽象的な書き方:「プロダクト戦略の策定と推進」

  • 具体的な書き方:「既存の顧客企業向けの機能と新しい顧客層向けの機能の開発の優先順位を設定し、来期の開発計画を経営会議で合意する」

任せる権限の範囲

CxO層の候補者は、入社後にどこまでの判断を任されるかを重視します。予算の決定権、採用の決定権、ほかの部門との関係を書いておくと、面接での確認が具体的になります。CROを採用する場合は特に、マーケティングやカスタマーサクセスの責任者がすでにいるか、いる場合はCROとの関係をどうするかを書いておく必要があります。

現在の組織と課題

候補者が入社後の状況を描けるように、担当する組織の人数、いまの売上やプロダクトの状況、解決したい課題を書きます。課題を率直に書くと、同じ課題を解決した経験のある候補者が関心を持ちやすくなります。

迎え方と報酬

取締役として迎えるのか、従業員として雇用するのかによって、契約の形も求人票で示す条件も異なります。取締役は株主総会で選任されるため、入社と同時に就任するとは限りません。執行役員は会社法上の役員ではなく、雇用契約の場合と委任契約の場合があります。雇用契約で迎える場合は、職業安定法にもとづいて労働条件を明示する必要があります。契約の形は、最終的に弁護士などの専門家に確認しておくと安心です。報酬の幅と、ストックオプションを付与するかどうかも、候補者が早い段階で確認したい項目です。

CxO層の候補者をどう探すか

CxO層の候補者は、転職サイトに登録していないことも多く、求人票を公開して待つだけでは出会える人数が限られます。経営陣や投資家の紹介(リファラル)、エグゼクティブサーチ(経営層の紹介を専門にする人材紹介)、スカウト媒体での個別の声かけを組み合わせて探すのが一般的です。

どの経路でも、候補者は最初の会話で、任せたい成果と権限の範囲を確認しようとします。経営会議で「この役職に1年で何を期待するか」を1〜2文で書き出してから探し始めると、最初の会話から任せたい成果の話に入れます。

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永井涼平

HRdev代表

レバレジーズ、クラウドワークス等を経て2021年にHRdev創業。18年以上エンジニア採用の最前線に立ち、ログラス・MFS・SALESCORE等の支援実績を持つ。

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