VPoP
(ぶいぴーおーぴー/VP of Product)
- 文書で確認(海外)
- 2017年
- 更新
- 2026-09-16
一言でいうと
プロダクト組織全体の運営に責任を持つ役割です。プロダクトマネージャーの体制を預かり、会社によってはデザイナーも含めて、事業計画に対する成果を揃えます。
この職種の出自と登場時期
Silicon Valley Product Group の Marty Cagan は「The VP Product Role」のなかで、VP Product を社内または事業部内で最も上位のプロダクト職として説明し、プロダクトマネージャーとユーザー体験のデザイナーを預かり、CEO に報告する形を挙げています。あわせて CTO やマーケティングの責任者と同格に置くことを勧めています。
プロダクト経営の書籍群が、この職務を2017年前後に文書として整理しました。Richard Banfield・Martin Eriksson・Nate Walkingshaw の『Product Leadership』(O'Reilly Media、2017年)が、約100名のプロダクト責任者への取材をもとに、創業期・成長期・大企業の段階ごとに責任者の仕事を分けて記述しています。それ以前から個別の企業では使われていた肩書きです。ここでは、職務が文書として整理された時期を挙げています。
国内でもこの役職は置かれています。プロダクト組織が複数チームに分かれ、プロダクトマネージャーの採用が続く段階で現れることが多くなります。
ミッション
プロダクト組織が、事業計画の求める成果を継続して出せる状態を作ります。個別のプロダクトの成否ではなく、組織として判断と実行が回っているかどうかで評価されます。
採用と育成が重い指標になります。プロダクトマネージャーが揃わない状態では、チームを増やしても計画は成立しません。
主な業務範囲
- プロダクト組織の体制設計。チーム分割、責任範囲、報告ラインを決める
- プロダクトマネージャーとデザイナーの採用計画と評価制度の運用
- プロダクト戦略の統括。事業戦略との接続と、領域ごとの優先順位の決定
- 経営への説明。投資と人員の配分について合意を作る
- 開発組織・営業・カスタマーサクセスとの調整
求められる能力
組織の設計と、戦略の言語化の両方が要ります。どちらか一方しか持たない人は、体制は整うが方向が定まらない状態か、方向は示せるが人が回らない状態のどちらかに寄ります。
自分で意思決定を抱えないことも条件になります。判断の基準を配下へ渡し、決め方そのものを設計できるかどうかを確認してください。
この職種に就く人のキャリア経路
DoP やグループプロダクトマネージャーを経て就く経路が一般的です。その先は CPO、事業責任者、CEO へ進む例があります。
隣接職種との違い
| 比較対象 | 責任の範囲 | VPoP との違い |
|---|---|---|
| DoP(下位) | 担当領域のプロダクトと配下のPM | 領域が対象。VPoP はプロダクト組織全体を預かる |
| CPO(上位) | 全社のプロダクト戦略と投資配分 | 全社の配分に関与する。VPoP は組織の運営が中心 |
| VPoE(同階層または隣接する VP 職) | 開発組織の運営 | 人と技術の体制が対象。VPoP はプロダクトの内容と体制が対象 |
| CTO(同階層または上位) | 技術の方向と技術投資 | 技術が対象。プロダクトの優先順位は VPoP 側に置かれる。上下関係は会社によって異なる |
CxO と VP の一般的な差分は、意思決定の範囲、予算と採用の権限、取締役会との距離に現れます。VP は預かる組織の要員と予算に責任を持ち、CxO は全社の配分と対外的な説明に関わります。CPO を置かない会社では、VPoP が経営会議に加わってその役割を兼ねます。
採用担当の見極めポイント
預かっていた組織の人数と、そのうち何名を自分で採用したかを確認します。体制を引き継いだ経験と、体制を作った経験では、再現できる範囲が違います。
CPO・CTO・事業責任者との分担も確認します。同じ VPoP でも、戦略まで持つ会社と実行の統括に限る会社があり、募集側の期待とずれやすい箇所です。
求人・市場の傾向
プロダクトマネージャーの採用と育成が継続して必要になった事業会社で募集が出ます。CPO が不在で VPoP が最上位という体制と、CPO の下に VPoP を置く体制の両方があります。求人票では、上位に誰が居るか、採用と予算の決裁をどこまで持つかを確認してください。