CRO

しーあーるおー/Chief Revenue Officer

文書で確認(海外)
2002
更新
2026-09-16

一言でいうと

収益に関わる複数部門を横断して統括する経営層の役職です。営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど、収益を生む部門を一人の責任者の下に置きます。

この職種の出自と登場時期

英語版 Wikipedia は CRO を、組織の収益を生む工程全体を統括する役員として記述し、マーケティング・営業・サポート・価格設定・レベニューマネジメントを責任範囲に挙げています。肩書きの使用については、コンサルタントの LaVon Koerner が実務で用いた例を1999年、公開された使用を2002年として、CFO.com の記事を典拠に挙げています。

この肩書きは2000年代後半から2010年代にかけて、中堅規模の企業と B2B の SaaS 企業を中心に広まりました。部門ごとに別々の指標を追う体制では、全体の収益が伸びない状況が背景にあります。Forrester(SiriusDecisions)は2019年の記事で、収益部門の運用を集約した組織の46%が CRO に報告していると報告しました。

国内でもこの役職は置かれています。営業本部長との違いが曖昧なまま使われる例もあり、求人票では責任範囲の確認が必要です。

ミッション

CRO は売上の計画と実績を統括します。案件の獲得だけでなく、契約後の継続と拡大まで含めた収益全体が対象です。

部門間の受け渡しを設計することも仕事の中心にあります。マーケティングが集めた見込み客を営業が扱えない状態や、営業の約束をカスタマーサクセスが実現できない状態を、組織の設計と指標で解消します。

主な業務範囲

  • 収益計画の策定。市場・製品・顧客区分ごとの目標を置く
  • 営業・マーケティング・カスタマーサクセスの統括と、部門間の指標の整合
  • 価格設定と提案条件の決定への関与
  • 受注予測の精度管理。案件の進捗を段階で管理する
  • 経営会議・取締役会への説明

求められる能力

営業以外の部門を運営できるかどうかが分かれ目になります。営業出身者が就く例が多い一方で、マーケティングとカスタマーサクセスの指標を理解していない人は、部門の統合が名ばかりになります。

数字を分解する力も要ります。未達の原因を、見込み客の数、商談の転換率、単価、解約のどこにあるかまで切り分けられる必要があります。

この職種に就く人のキャリア経路

営業本部長や VP of Sales を経て就く経路が一般的です。マーケティングやカスタマーサクセスの責任者から移る例もあります。その先は COO や CEO、事業責任者へ進みます。

隣接職種との違い

比較対象責任の範囲CRO との違い
CSO(下位または同格)営業組織の戦略と実行営業が対象。CRO はマーケティングと契約後も含む
CMO(同階層または配下の CxO)市場の選定と需要の創出需要を作る側。CRO は需要から収益までの全体を統括する。上下関係は会社によって異なる
VP of Sales(下位の VP 職)営業組織の日々の運営実行の管理が中心。CRO は収益全体の計画に責任を持つ
RevOps(下位の機能)収益部門の仕組みとデータの整備基盤の整備。CRO は事業の目標そのものに責任を持つ

CxO と VP の一般的な差分は、意思決定の範囲、予算と採用の権限、取締役会との距離の3点です。VP は担当部門の要員と予算を預かり、CxO は部門をまたいだ配分と対外的な説明に関わります。CRO を置かない会社では、CEO か COO がこの役割を兼ねます。

採用担当の見極めポイント

預かっていた部門の範囲を確認します。営業だけを統括していた人と、マーケティングとカスタマーサクセスまで預かっていた人では、担える範囲が異なります。

未達のときの打ち手も確認します。増員と値引き以外の手段を具体的に説明できるかどうかで、収益の構造を理解しているかを判断できます。

求人・市場の傾向

収益部門が複数に分かれ、部門間の調整が必要になった企業で募集が出ます。SaaS 企業での例が目立ちます。営業本部長と CRO を同義で使う会社もあるため、求人票では統括する部門、受注予測の責任、価格決定への関与を確認してください。

出典