定着率
(ていちゃくりつ/Retention Rate)
一言でいうと
ある期間に入社した人のうち、一定期間が経過した時点で在籍を続けている人の割合です。
もう少し詳しく
定着率には統一された計算式がありません。採用の評価に使う場合は、同じ時期に入社した人の集団を分母にし、入社から6か月後や1年後に在籍している人数を分子にする形が一般的です。
定着率は、公的統計の離職率と分母が異なります。厚生労働省の雇用動向調査は、離職率を常用労働者数に対する離職者の割合として算出しています。分母は在籍者全体で、入社した時期を区別しません。一方、同じ厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」は、卒業年ごとの就職者を分母にした就職後3年以内の離職率を公表しています。前者は組織全体の入れ替わり、後者は入社した集団の定着を表しており、「1から離職率を引けば定着率になる」という計算は分母が揃う場合にしか成り立ちません。
実務でどう使うか
採用経路別、職種別、入社時期別に定着率を分けて算出します。全社で1つの数字にまとめると、特定の経路や部署で早期の離職が集中していても判別できません。
入社後の区切りは、試用期間の終了時点と入社1年後の2つを置くと、受け入れの問題と配属後の問題を分けて確かめられます。人材紹介を使っている場合は、返戻金の対象期間と同じ区切りでも集計しておくと、契約条件と実績を照合できます。
よくある失敗
- 入社人数が少ない職種で率だけを追う。1名の退職で数十ポイント動き、傾向が読み取れません
- 定着率が高いことを採用の成功とみなす。期待した役割を果たしているかは別に確かめる必要があります
- 退職理由を記録しない。率が下がっても、選考の問題か受け入れの問題かを切り分けられません
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| 離職率(雇用動向調査) | 常用労働者数に対する離職者の割合 | 分母が在籍者全体で、入社時期を区別しない |
| 内定承諾率 | 内定者のうち入社を承諾した割合 | 入社前の指標 |
| 短期離職 | 個人が短い期間で退職すること | 個人の経歴の話。定着率は集団の指標 |