オンボーディング
(おんぼーでぃんぐ/Onboarding)
一言でいうと
入社した人が、職場の環境と役割を理解し、期待された成果を出せるようになるまでの受け入れの設計と運用です。
もう少し詳しく
オンボーディングは、入社初日の手続きや研修だけを指す言葉ではありません。開発環境の準備、担当するプロダクトとチームの説明、最初に任せる業務の設定、上司との定期的な面談までを、入社後数か月の計画として組み立てるものです。
法令が定める受け入れ時の義務は、オンボーディングの一部にすぎません。労働基準法第十五条は、労働契約の締結に際して賃金や労働時間などの労働条件を明示するよう使用者に求めています。労働安全衛生法第五十九条は、労働者を雇い入れたときに、従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行うよう事業者に求めています。これらを済ませても、入社者が自分の役割を理解し、成果を出す道筋を持てるかどうかは別の問題として残ります。詳細な運用は社会保険労務士などの専門家に確認してください。
エンジニアの場合、入社から最初のコードがマージされるまでの日数や、本番環境へのアクセス権限がそろうまでの日数が、立ち上がりの早さを左右します。権限の申請や端末の手配が入社後に始まると、最初の数週間を待ち時間に使うことになります。
実務でどう使うか
入社日の前に、最初の1週間、1か月、3か月で何ができている状態を目指すかを書き出し、入社者と上司の双方で共有します。選考で伝えた役割と、入社後に任せる業務が一致しているかをこの時点で確かめます。
受け入れの担当者を1名決め、技術の質問と業務の質問を誰に聞けばよいかを入社者に伝えます。3か月の時点で入社者に振り返りを聞き、次の入社者の受け入れ計画に反映します。
よくある失敗
- 入社後に端末や権限の手配を始める。初日から数日間、入社者が作業に着手できません
- 選考で説明した役割と異なる業務を最初に任せる。入社前の期待とのずれが早期の離職の理由になります
- 受け入れを配属先の現場に任せきりにする。担当者の忙しさによって受け入れの質に差が出ます
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| 候補者体験 | 選考中に候補者が受け取る体験 | 入社前の話。オンボーディングは入社後 |
| 試用期間 | 本採用の前に適性を確かめる期間 | 雇用契約上の期間の定め。受け入れの設計ではない |
| 新人研修 | 入社者に知識を教える集合型の教育 | オンボーディングの一部 |