アルムナイ採用
(あるむないさいよう/Alumni Hiring)
一言でいうと
自社を一度退職した人を、あらためて社員として採用する取り組みです。「アルムナイ」は英語で卒業生を意味する語で、退職者を指して使われます。
もう少し詳しく
アルムナイ採用の候補者は、自社の事業、文化、社内の人間関係をすでに知っています。企業にとっては入社後の立ち上がりにかかる時間を短くでき、候補者にとっては入社前に働き方の実態を具体的に想像できる点が利点になります。エンジニアの場合、退職後に別の企業で経験した技術や規模を持ち帰ってくることがあり、在籍時とは異なる役割で迎える例もあります。
在籍していた実績は、そのまま現在の適合を示すものではありません。退職の時点から事業も組織も変わっており、候補者も別の経験を積んでいます。選考を省略せず、現在のポジションの要件に照らして評価してください。
退職者への連絡には個人情報の論点があります。個人情報保護法第十七条は、個人情報を取り扱うにあたって利用目的をできる限り特定するよう求め、第十八条は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことを禁じています。在職中の雇用管理のために取得した連絡先を、退職後の再雇用の案内に使う場合は、その利用目的の範囲に含まれているかを確かめてください。再応募の段階では、職業安定法第五条の五が、労働者の募集を行う者に対し、目的を明らかにして求職者の個人情報を収集し、その目的の範囲内で保管・使用するよう定めています。取り扱いの詳細は弁護士などの専門家に確認してください。
実務でどう使うか
退職の手続きの際に、退職後の連絡を希望するかを本人に確認し、連絡の目的と使う連絡先について同意を得ます。同意を得た退職者は、タレントプールと同じ形で名簿に記録し、募集ポジションが出たときに案内を送ります。
再入社の際の処遇は、在籍時の等級や年収ではなく、現在の役割と市場の水準から決めます。在籍時の同僚が上司になる場合もあるため、配属先の受け入れ体制も事前に確かめます。
よくある失敗
- 退職時に同意を得ないまま、社内に残った連絡先で再雇用の案内を送る。利用目的の範囲を超えた取り扱いになります
- 元社員であることを理由に選考を省略する。現在の要件との適合を確かめないまま配属が決まります
- 在籍時の年収を基準に処遇を決める。退職後の経験が処遇に反映されず、辞退の原因になります
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| リファラル採用 | 社員の紹介で候補者と接点を持つ手法 | 候補者は元社員とは限らない |
| タレントプール | 過去の応募者や面談者と接点を保つための名簿 | 対象は選考で接点を持った人。退職者を同じ名簿で扱うかは運用で決める |
| 再雇用制度 | 定年退職者を引き続き雇用する制度 | 対象は定年退職者で、雇用が途切れない。退職後に別の経験を積んで戻る再入社とは異なる |