採用実務
年収レンジ設計
(ねんしゅうれんじせっけい/Salary Range Design)
一言でいうと
募集ポジションで提示する年収の幅と、その幅が対応する経験水準を決める設計です。
もう少し詳しく
エンジニアの給与水準は職種と経験で大きく変わり、社内の等級表がそのまま市場と噛み合わないことがあります。市場水準に合わせて高く提示すれば既存社員との逆転が起き、社内水準に揃えれば候補者が集まらない。この調整が設計の中心になります。
幅の示し方も判断が要ります。上限だけを大きく見せると、実際の提示額との差で不信を招きます。幅とあわせて、どの経験がどの水準に対応するかを説明できる状態にしておくと、選考の過程で認識をそろえられます。
実務でどう使うか
まず市場水準を確認します。媒体の希望年収、同じ職種の他社の募集要項が材料になります。そのうえで社内の等級と突き合わせ、逆転が起きる範囲を経営と共有してください。
決めた幅は求人票に記載します。記載がないと候補者は応募を判断できず、母集団が小さくなります。固定残業代を含む場合は、その金額と対応する時間数、超過分を別途支払う旨まで示してください。含みのある書き方は選考の後半で必ず問題になります。
よくある失敗
- 候補者が応募を判断できない。幅を広く取りすぎて、どの水準の募集か伝わっていません
- 既存社員との整合を後回しにする。入社後に不満が生じます
- 交渉のたびに例外を作る。基準が崩れ、後から入る人ほど説明が難しくなります
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| 等級制度 | 社内の職務や能力の階層 | 社内の仕組み。レンジ設計は募集時の提示 |
| 労働条件明示 | 募集や契約で条件を示す義務 | 法令上の義務。レンジ設計は方針の決定 |
| 賃金テーブル | 等級ごとの支給額の一覧 | 社内の表。レンジは対外的な提示幅 |
HRdevの現場から
要件に対して提示水準が市場と合っていない場合、返信率が上がらないまま運用だけが続きます。要件を緩めるか水準を上げるかの判断が必要になるため、市場の相場を数字で示して経営に上げる形にしています。
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