採用実務
ジョブ型雇用
(じょぶがたこよう/Job-based Employment)
一言でいうと
採用も処遇も、人ではなく職務を起点に組み立てる考え方です。職務記述書がその起点になります。
もう少し詳しく
対比されるのは、人を採用してから仕事を割り当てる運用です。後者では異動によって職務が変わることが前提で、賃金は職務ではなく等級や勤続に結びつきます。ジョブ型では、職務記述書に定めた内容が処遇の根拠になります。
日本で語られるときは、解雇のしやすさと結びつけられることがあります。職務を定めることと、労働契約の終了に関する法制度は別の話です。労働契約法第十六条は、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇を無効と定めており、職務がなくなれば契約が終わるという運用が自動的に認められるわけではありません。導入を検討する場合、中心の論点は賃金制度と評価制度の設計になります。
実務でどう使うか
採用の場面では、職務記述書の精度が前提になります。任せる範囲、期待する成果、必要な経験が書かれていなければ、処遇の根拠になりません。
既存社員との整合も設計に含めてください。新規の募集だけをこの考え方で運用すると、同じ仕事をしている社内の人との間で説明のつかない差が生まれます。
よくある失敗
- 職務記述書を作らないまま名称だけ導入する。運用の実体が伴いません
- 既存の等級制度との関係を整理しないまま新しい募集にだけ適用する
- 解雇の根拠として理解する。制度の趣旨と法制度を取り違えています
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| メンバーシップ型雇用 | 人を採用して仕事を割り当てる運用 | 対比される考え方 |
| ジョブディスクリプション | 職務内容を記述した文書 | 文書。ジョブ型は雇用の考え方 |
| 成果主義 | 成果に応じて処遇する考え方 | 評価の軸。ジョブ型は職務の定義が起点 |
HRdevの現場から
エンジニアの募集では、職務の範囲が明確なほど候補者の判断が早くなります。制度として導入していない企業でも、求人票の段階で任せる範囲を具体化すると、選考中の認識のずれが減ります。
関連キーワード
ジョブディスクリプション / 年収レンジ設計 / 労働条件明示