タレントアクイジション
(たれんとあくいじしょん/Talent Acquisition)
一言でいうと
事業の中長期の計画にもとづいて、必要な人材を継続的に見つけ、関係を築き、獲得する活動と、それを担う機能の呼び名です。
もう少し詳しく
タレントアクイジションは、欠員が出てから求人を出す採用の進め方と対比して使われます。必要になる前から候補者と接点を持ち、採用ブランディング、母集団の形成、候補者との関係の維持、選考、入社までを一続きの活動として設計します。海外企業や外資系企業では、採用を担う部署そのものを「Talent Acquisition」、略して「TA」と呼ぶことがあります。
「タレント」は特別に優秀な一部の人だけを指す語ではありません。この語は対象者の選別ではなく、採用を事業計画と結びつけて、必要になる前から候補者と関係を築く進め方を指しています。名称を変えても、欠員が出てから動く運用のままであれば、中身は従来の採用と変わりません。
経済産業省は人的資本経営の説明の中で、事業ポートフォリオの変化を見据えた人材ポートフォリオの構築や、付加価値を生み出す人材の確保・育成など、経営戦略と適合した人材戦略が重要になるとしています。同省はこの検討をまとめた研究会の報告書を、通称「人材版伊藤レポート」として2020年9月に公表しました。タレントアクイジションは、このうち人材の確保を担う活動にあたります。
実務でどう使うか
まず、人員計画から1年から2年先に必要になる職種を特定します。そのうち市場に候補者が少なく、採用に時間のかかる職種について、募集の開始前から接点づくりを始めます。技術ブログや登壇による情報発信、過去の応募者や面談者をまとめたタレントプールへの定期的な連絡がその手段になります。
活動の成果は、採用数だけでなく、接点を持った候補者の数や、募集開始から充足までの日数でも測ります。
よくある失敗
- 部署名を変えただけで、業務の中身が欠員補充のままになる
- 接点を持った候補者の記録を残さない。募集を始めたときに、誰に声をかけるべきかがわかりません
- 中長期の職種を人員計画と照合せずに選ぶ。接点づくりに使った時間が、実際の採用につながりません
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| リクルーティング | 募集中のポジションに対する採用活動 | 欠員や増員が決まってから始める。TAはその前段を含む |
| タレントマネジメント | 在籍する社員の配置・育成・評価の管理 | 対象が社内の人材 |
| 採用ブランディング | 企業として選ばれる状態を作る取り組み | TAを構成する活動の1つ |