SMB
(えすえむびー/Small and Medium Business)
- 起点・背景(海外)
- 2003年
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
中小規模の企業や事業者をひとまとまりにした顧客の区分です。
提唱者と登場年
SMBという呼び方には特定の提唱者はいません。区分の基準として参照される公的な定義に、欧州連合が2003年に出した勧告2003/361があります。欧州委員会はこの勧告にもとづき、従業員250人未満で、売上高5千万ユーロ以下または総資産4,300万ユーロ以下の企業を中小企業としています。
国内では、1963年に制定された中小企業基本法が、国の施策の対象となる中小企業者の範囲を第2条で定めています。製造業などでは資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下、サービス業では資本金5千万円以下または従業員100人以下が基準です。IT企業が顧客区分として使うSMBは、これらの法令上の定義とは別に、各社が自社の基準で決めています。
何を解決するか
法人向けの事業では、顧客の規模によって、導入までにかかる時間、1件の取引額、求められる機能が大きく異なります。すべての法人を同じ売り方で扱うと、小規模な顧客には手間がかかりすぎ、大規模な顧客には提案が足りなくなります。
SMBという区分を置くと、規模の小さい顧客に合わせた売り方と製品の形を、大企業向けとは別に設計できます。SMB向けでは、1件の取引額が小さい分、営業の手間を減らし、多くの顧客を短い期間で獲得する仕組みが求められます。
実際の進み方
まず、自社にとってのSMBの範囲を決めます。従業員数、売上高、利用する席数など、何を基準にするかを1つに決め、営業とマーケティングで同じ定義を使います。
次に、区分ごとに販売の経路を分けます。SMB向けでは、ウェブからの申し込み、無料での試用、オンラインでの商談など、担当者が訪問しない経路がよく使われます。大企業向けでは、担当の営業が長い期間をかけて提案します。
そのうえで、区分ごとに指標を追います。獲得費用、解約率、1件あたりの売上を分けて追うと、どの区分に投資するかを判断できます。
導入でよくある失敗
- SMBの定義を部署ごとに変える。営業の成果とマーケティングの成果が比べられなくなります
- 大企業向けと同じ営業の手順をSMBに使う。1件あたりの獲得費用が売上に見合わなくなります
- 解約率の違いを考慮しない。規模の小さい顧客は、事業の休止や方針の変更で契約をやめることがあります
求人票にこの語がある場合に読み取れること
「SMB向け」の記載は、多くの顧客を短い商談で獲得する営業や、手間をかけずに導入できる製品を求めていると読み取れます。ただし、SMBが指す企業規模は求人ごとに異なります。従業員数十人の企業を指す場合も、数百人の企業を指す場合もあります。
面接では、候補者の経験について、顧客の従業員規模、1件の取引額、商談から契約までの期間を聞いてください。自社の求人票にこの語を書くときも、対象とする顧客の規模を数字で添えると、応募者の経験との照合がしやすくなります。
隣接手法との違い
| 区分 | 対象 | SMBとの違い |
|---|---|---|
| エンタープライズ | 大企業 | 取引額が大きく、導入までの期間が長い |
| ミッドマーケット | 中堅企業 | SMBと大企業のあいだに置く区分。境界は企業ごとに異なる |
| 中小企業者(法令) | 中小企業基本法が定める範囲 | 国の施策の対象を決める定義。販売上の区分とは別 |