toB・toC

(とぅーびー、とぅーしー/B2B / B2C)

起点・背景(海外)
1999年
国内で見られるように
1998年ごろ
更新
2026-09-24

一言でいうと

法人を顧客とする事業(toB)と、一般の消費者を顧客とする事業(toC)の区別です。

提唱者と登場年

特定の提唱者はいません。国際機関の文書では、OECDが1999年に刊行した報告書「The Economic and Social Impact of Electronic Commerce」が、電子商取引をbusiness-to-businessとbusiness-to-consumerに分けて分析しています。同報告書は、企業間の取引が電子商取引の総額の8割以上を占めるとしています。

国内では、経済産業省が1998年度から電子商取引の実態調査を続け、企業間と消費者向けに分けて市場規模を推計しています。2025年8月に公表した調査では、2024年の国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模を26.1兆円、BtoB-EC(企業間電子商取引)を514.4兆円としています。

何を解決するか

顧客が法人か個人かによって、誰が買うかを決め、どれだけの時間をかけて決めるかが大きく異なります。同じ製品開発や営業の経験でも、どちらを相手にしてきたかで、身につく判断の型が異なります。

toBでは、使う人、予算を持つ人、承認する人が別であることが多く、導入の検討に複数の部署が関わります。契約までの期間は長く、1件あたりの取引額は大きくなる傾向があります。toCでは、使う人がそのまま買う人であり、判断は個人に委ねられ、短い時間で下されることが多くなります。1件の取引額は小さく、利用者の数が事業の規模を左右します。

実際の進み方

事業の区分は、誰に請求するかで決まります。法人と契約して料金を受け取るならtoB、個人から直接受け取るならtoCです。法人を通じて個人へ届ける事業は、B2B2Cとして別に扱われます。

toBの製品開発では、導入企業の業務の流れ、権限の設定、既存システムとの連携が要件の中心になります。営業は、担当者との商談から始まり、決裁者の承認まで複数の段階を進めます。

toCの製品開発では、利用者の行動データをもとにした改善の速さが中心になります。集客は広告やアプリストアなど、個人に直接届く経路を使います。

導入でよくある失敗

  • toCの経験者を、商談の段階や導入支援を説明しないままtoBの職務に配置する。意思決定までの段階の多さや要件の細かさに戸惑うことがあります
  • toBの製品で、利用者の使いやすさを後回しにする。導入は決まっても、現場で使われず解約につながることがあります
  • 「toBの経験あり」を1つの条件として扱う。中小企業向けと大企業向けでは、商談の期間も要件も異なります

求人票にこの語がある場合に読み取れること

求人票の「toB経験」「toC経験」は、顧客の種類に合わせた判断の経験を求めていると読み取れます。ただし、指している範囲は企業によって異なります。

面接では、候補者が相手にしてきた顧客の規模、1件の取引額、導入までの期間を聞いてください。toBの経験でも、中小企業向けの短い商談と、大企業向けの長い商談では、求められる動き方が異なります。自社の求人票にこの語を書くときは、顧客の規模もあわせて書くと、応募者との認識のずれが減ります。

隣接手法との違い

区分顧客toB・toCとの違い
B2B2C法人を通じて届ける一般消費者契約先と利用者が別になる
CtoC個人と個人の取引の場事業者は場を提供し、取引の当事者にならない
SMB中小規模の企業や事業者toBの中の顧客区分の一つ

出典