スキルベース採用

(すきるべーすさいよう/Skills-based Hiring)

一言でいうと

学歴や過去の在籍企業の名前ではなく、職務に必要なスキルを持っているかどうかで候補者を評価する採用の進め方です。

もう少し詳しく

スキルベース採用は、学歴の条件を外すことだけを意味する手法ではありません。学歴の条件を外しても、代わりに何をどう確かめるかを決めていなければ、評価は面接官の印象に頼ることになります。

この考え方の公的な例として、米国の大統領令13932号があります。2020年6月26日に署名されたこの大統領令は、連邦政府の職員採用について、学歴の最低要件を課すのは、その職務の遂行に法的に学歴が必要とされる場合に限ると定めました。あわせて、候補者の能力を評価する際に、候補者自身の自己評価だけに頼らないことも定めています。

国内では、厚生労働省の「公正な採用選考」が、採否を職務遂行に必要な適性・能力の観点から、あらかじめ定めた基準にしたがって評価するよう求めています。スキルベース採用は、この基準を職務に必要なスキルの一覧として具体的に定める進め方にあたります。

実務でどう使うか

最初に、ポジションで必要なスキルを「入社時に必須のもの」と「入社後に習得できるもの」に分けて書き出します。エンジニアであれば、使用する言語やクラウド基盤の経験、設計のレビューを行った経験、障害対応の経験といった粒度で定義します。

次に、スキルごとに確認の方法を決めます。コードの読み書きはコーディングテストや課題、設計の判断は過去の設計についての構造化された質問、チームでの動き方は具体的な場面を聞く面接で確かめます。職務経歴書に書かれた在籍企業や肩書きは、スキルの有無を推測する材料の1つとして扱い、それだけで判断しません。

よくある失敗

  • 求人票から学歴の条件を消すだけで、評価の方法を変えない
  • 定義したスキルの数が多すぎる。確認に必要な選考の段階が増え、候補者の辞退につながります
  • スキルの定義を人事だけで作る。現場で実際に使っている技術や判断の水準とずれます

混同されやすい用語

用語指すものこの語との違い
ジョブ型雇用職務を先に定めて人を採用し処遇する考え方雇用と処遇の制度。スキルベース採用は評価の方法
コーディングテスト課題で技術の水準を確かめる試験スキルを確かめる手段の1つ
採用要件定義採る人物の経験と能力の水準を合意する工程スキルの定義はこの工程で行う

出典