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エンジニアの採用計画とKPI|必要なスカウト送付数の逆算

エンジニアの採用計画を、採用したい人数から必要なスカウト送付数まで逆算して立てる方法を整理します。結果を表す指標と行動で動かせる指標の分け方、月ごとに見直す指標、計画と実績がずれたときに確認する箇所を紹介します。

永井涼平HRdev代表

「来期はエンジニアを5名採用する」と決まったあと、毎月どれだけスカウトを送り、何回面接をすればよいかまで落とし込めているでしょうか。採用人数だけを目標に置くと、目標に届かないことが分かるのが期末になり、打てる手が少なくなります。

採用計画を立てるときは、採用人数から選考の段階をさかのぼって、必要な面接数・返信数・送付数を逆算しておくと、月ごとの行動の量が決まります。

この記事では、スカウトを中心に採用するエンジニア採用を例に、採用計画の逆算の仕方と、採用KPI(採用活動の進み具合を測る指標)の置き方を紹介します。

採用計画は何から決めればよいか

採用計画の起点は、職種ごとに「いつまでに何名を採用したいか」です。全体で5名とするのではなく、バックエンド2名、SRE1名、EM(エンジニアリングマネージャー)1名、のように職種と時期に分けて置きます。

職種によって候補者の数や返信の傾向は大きく異なるため、計画は職種ごとに分けて立てます。同じ5名でも、候補者の多い職種と少ない職種では、必要な送付数も期間も変わってきます。

時期は、入社してほしい月から、選考と入社までにかかる期間をさかのぼって設定します。エンジニアの中途採用では、内定から入社までに1〜2か月かかることが多く、マネージャー層では3か月かかることもあります。4月に入社してほしいなら、遅くとも1〜2月には内定を出している必要があります。

採用人数から送付数をどう逆算するか

逆算には、選考の段階ごとの歩留まり(次の段階に進んだ人の割合)を使います。自社の過去の実績があればその値を、なければ仮の値を置いて始め、実績がたまったら置き換えていきます。

計算の流れは次のとおりです。下の表の割合は計算の仕方を示すための仮の値で、実際の値は職種や企業によって大きく異なります。

段階

次の段階へ進む割合(仮の値)

1名採用に必要な人数

内定承諾

―

1名

内定(承諾率)

70%

約1.4名

最終面接(通過率)

50%

約3名

一次面接(通過率)

40%

約7名

有効返信(一次面接に進んだ割合)

80%

約9名

スカウト送付(有効返信率)

5%

約180通

有効返信から一次面接までの80%には、書類選考やカジュアル面談で見送る分を含めています。二次面接がある場合は、一次面接と最終面接のあいだに1行足して計算します。この仮の値で計算すると、1名を採用するのに約180通のスカウトが必要になります。5名なら約900通で、半年で採用するなら月に約150通を送る計算です。

有効返信率は自社の値で置き直す

表の中で、改善の余地が最も大きいのは有効返信率(送付数のうち、面談・面接に進みたいという返信をもらった割合)です。有効返信率が5%から10%に上がれば、必要な送付数は半分になります。

私たちの支援先のうち、スカウトの実績を集計している11社の合算では、2026年8月時点で送付が2万2,000通を超え、有効返信は1,940件、有効返信率は8.7%でした。ただ、これは複数の企業と職種を合わせた値で、職種や企業の条件によって値は大きく上下します。

媒体が公表している返信率は、辞退を含めた返信全体を数えていることが多く、この値とは定義が異なります。計画を立てる際は、自社の直近3か月の値を使うのが確実です。

採用KPIはどう置けばよいか

採用KPIは、結果を表す指標と、行動で動かせる指標に分けて置きます。結果の指標だけを追っていると、数字が悪いと分かっても、何を変えればよいかが分かりません。

  • 結果を表す指標:採用人数、内定承諾率、最終面接の通過率

  • 行動で動かせる指標:スカウトの送付数、面接の実施数、返信から面接までの日数

行動で動かせる指標は、毎週確認します。送付数が計画に届いていなければ、まず送付の時間を確保します。結果の指標は、件数が少ないうちは週ごとに上下しやすいため、月ごとに確認するほうが判断を誤りにくくなります。

返信から面接までの日数も指標に置く

見落とされやすい指標に、返信から面接までの日数があります。候補者から返信があっても、日程の調整に1週間以上かかると、その間に他社の選考が進み、辞退されることが増えます。

返信率や通過率と違い、この日数は社内の運用だけで短くできます。面接官の空き時間を先に押さえておく、日程の候補を返信の当日に送る、といった対応で縮められるので、毎週の確認項目に入れます。

計画と実績がずれたらどこを見直すか

月ごとに計画と実績を比べ、ずれている段階を特定します。ずれ方によって、見直す箇所が異なります。

  • 送付数は計画どおりで返信が少ない:送付の対象の決め方と文面を見直す

  • 有効返信は多いが一次面接の通過が少ない:対象の決め方か、一次面接に進める基準が現場の期待とずれていないかを確認する

  • 最終面接での見送りや辞退が多い:一次面接と最終面接の評価の基準、内定後の対応を見直す

対象の決め方については、スカウトの返信率の記事で詳しく整理しています。面接の段階の見直しは、一次面接と最終面接で確認することを分ける方法で整理しています。

計画を立てた時点の歩留まりは、あくまで仮の値です。計画は3か月ごとに引き直す前提で立て、実績がたまったら逆算をやり直して、送付数や期間を更新します。職種ごとに直近3か月の段階ごとの人数を並べておけば、最初の逆算は1時間ほどで作成できると思います。採用にかかる費用の側からの見方は、エンジニアの採用単価の記事で整理しています。

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永

永井涼平

HRdev代表

レバレジーズ、クラウドワークス等を経て2021年にHRdev創業。18年以上エンジニア採用の最前線に立ち、ログラス・MFS・SALESCORE等の支援実績を持つ。

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