採用業務のAI活用|シリーズ全8部の目次
求人票・スカウト・候補者対応・選考データの分析で、AIをどこでどう使い、任せる前に何を確かめるのかを、HRdevが採用支援の実務で培った知見をもとに全8部で解説するシリーズの目次です。
採用の目的は、事業の目標を達成するために必要な人を迎え入れることです。そのための採用の仕事は、会社がどこへ向かい、何を大切にし、どんな仲間と何を成し遂げたいのかを、市場と候補者に伝え、人を動かしていくことです。事業の構想と一人ひとりのキャリアの選択が重なったとき、会社は次の段階へ進みます。
その仕事を形づくる一つひとつの作業は、目的と相手に合わせて情報を翻訳する部分が大きな割合を占めます。この部分はAIの支援を受けることで、高い品質を効率よく実現できるようになります。
このシリーズでは、次の4つの領域について、どこでAIを使えるのか、どう使うのか、AIに任せる前に何を確かめるのかを説明します。内容は、HRdevが採用支援の実務の中で培った知見をもとにしています。HRdevの手順をそのまま紹介するものではなく、こうした使い方もできるという例として読んでください。
求人票
スカウト
候補者対応
選考データの分析
シリーズの全体図 採用の12の作業と各部の対応

第1部の準備と第2部の考え方が、第3部以降のすべてに共通します。左端の2つの作業はAIに任せず人が中心に担当し、AIで空いた時間はこの2つに使います。
スカウト対象の判定を例にした見本の管理シートを、第8部で週ごとに4つ公開しています。どれもリンクを知っていれば閲覧できます。
課題と役割から選ぶ読み進め方
課題観点の読み方
各部は作業ごとに分かれているため、困っている作業の部から読むことができます。
課題 | 推奨パート |
|---|---|
求人票の公開までに時間がかかる | |
スカウトを送る相手の選定に手間がかかる | |
スカウトの返信が少ない | |
候補者への返信や日程調整が遅れる | |
選考のどこで候補者が離れているのか分からない | |
AIに何を入力してよいか分からない | |
AIの導入をどこから始めればよいか分からない |
役割観点の読み方
役割によって、推奨パートが違います。
役割 | 推奨パート |
|---|---|
採用担当 | 困っている作業の部、第1部 |
現場の責任者(CTO、EM、部門長など)やHRBP | |
導入を判断する責任者 |
各部に共通する前提
第3部以降は、第2部で説明する2つの考え方を前提にしています。1つは、AIの使い方を作成(文章や分析結果をつくる)、判定(ルールで仕分ける)、整理(情報を集めて整える)の3つに分けることです。もう1つは、作業ごとに、人が決めること、AIに任せること、スプレッドシートに記録することを分けておくことです。どの部から読む場合も、先に第2部を読んでおくと内容を理解しやすくなります。
説明にはスプレッドシートを使います。Notionをはじめとしたドキュメントツールやデータベースを使っている場合も、同じ考え方で読み替えることができます。スプレッドシートを使う理由は第2部5章で説明します。
第3部から第7部の後半では、体制に合わせて2つの進め方を並べています。まず進め方Aで始め、件数が増えて人が全部を読み切れなくなった作業だけを進め方Bへ移す流れを想定しています。
進め方 | 向いている作業 | 使うツール |
|---|---|---|
進め方A | 1件ずつ確かめながら進めたい作業 | スプレッドシートのAI関数(セルの中からAIに頼む機能)と、Geminiのスキル(指示と資料を保存して繰り返し呼び出せる機能) |
進め方B | 件数が多く、手順の決まった作業 | Claude CodeやCodex(パソコン上のファイルやスプレッドシートの操作から資料の作成まで、手順ごとまとめて任せられるAIエージェント) |
第1部から第8部の内容
第1部 AIを使い始める前に
AIで支援できる採用の作業の全体像、AIに入力してよい情報の分け方、学習に使わせない設定、AIツールの種類とこのシリーズで使う基本の言葉、AIの出力を業務で使うときの注意です。どの部から読む場合も、先に確認してください。
第2部 AIはどこで使えるのか
第3部以降に共通する考え方を扱います。AIの3つの使い方(作成・判定・整理)を説明し、採用の12の作業それぞれをAIにどこまで任せられるかを示したうえで、人・AI・スプレッドシートの役割分担を扱います。
第3部 求人票づくりのどこをAIに任せるか
他社求人の調査、現場への質問票づくり、元原稿、媒体ごとの書き分け、採点の5つの工程です。求人票のためにヒアリングする11項目のうち、AIが書けるものと人にしか書けないものを分けます。
第4部 スカウトを送る相手の選び方
候補者のリストアップ、応募済みの方との照合、スカウト対象の判定です。判定ルールを3段(見送りの条件・必須の条件・加点と減点)に分けて書く方法と、判定の正確さの測り方を扱います。
第5部 スカウトの文面と送付回数
返信を左右する自社の魅力とその伝え方、書かせる前に人が用意する6つの材料、件名と本文の構成と長さ、送付回数とリマインドの考え方、返信率の数え方と振り返り方です。
第6部 候補者対応と個人情報の線引き
日程調整、質問への回答、面接メモの整理、選考通過と見送りの連絡です。あわせて、AIに渡してよい情報と、報告や記録に書き出してよい情報の区別を扱います。
第7部 選考データの分析
選考の段階ごとの通過率、人数が少ないときの数字の読み方、求人票と面接の評価基準の照合、見送り理由の書類段階と面接段階への分類、候補者からの質問の分析、面談と面接の記録を使った定性の振り返りです。
第8部 導入の進め方と課題の記録
1つの作業に1か月かけて取り組む進め方、起きた事例と防ぐための指示、導入の段階で避けること、費用と回収までの期間、担当者を増やすときの引き継ぎ、AIを入れても人が決定することです。
永井涼平
HRdev代表
レバレジーズ、クラウドワークス等を経て2021年にHRdev創業。18年以上エンジニア採用の最前線に立ち、ログラス・MFS・SALESCORE等の支援実績を持つ。
