失注分析

(しっちゅうぶんせき)

文書で確認(海外)
2011年
更新
2026-09-24

一言でいうと

受注に至らなかった商談の理由を集め、どこで外れたかを分類して、次の打ち手を決める取り組みです。

提唱者と登場年

特定の提唱者はいません。この取り組みを主題にした文書として、Microsoftで営業力強化のプログラムディレクターを務めていたRick Marcetが2011年にWileyから刊行した『Win / Loss Reviews』があります。同書は、受注した商談、失注した商談、先送りになった商談のそれぞれから得た情報を集め、分析して組織全体で使えるようにする方法を扱っています。

英語版Wikipediaは、こうした取り組みが買い手の評価を、製品やサービスそのもの、営業担当者の対応、売り手企業への印象、価格の4つに分けて集めると記述しています。Harvard Business Reviewは2013年に、Steve W. Martinが数百人の法人営業への聞き取りをもとに商談を失う理由を整理した記事を掲載しています。

何を解決するか

失注の理由を営業担当者の報告だけで集めると、価格や競合の値引きなど、担当者の外にある理由に偏ることがあります。担当者の報告は、買い手が実際に何で判断したかと一致するとは限りません。

失注分析は、理由を決まった分類で記録し、件数と金額で集計します。価格、機能、導入の時期、競合、営業の進め方のどこで外れたかが分かれると、製品の改善、料金の見直し、営業の手順の変更のうち、どこに手を入れるかを決められます。

前提として、商談の記録が営業支援システムなどに残っていることが必要です。記録の粒度が担当者ごとに違うと、集計しても比較できません。

実際の進み方

まず、失注理由の分類を決めます。価格、機能の不足、時期の見送り、競合の選択、社内の合意が取れなかった、などの選択肢を用意し、商談を閉じるときに必ず1つ以上を選ぶ運用にします。

次に、一部の失注案件で買い手に直接話を聞きます。営業担当者以外の人が聞き取ると、担当者には伝えにくい理由を買い手が話すことがあります。

そのうえで、四半期などの区切りで集計し、製品、マーケティング、営業の責任者が同じ場で結果を確認します。受注した商談も同じ分類で集計すると、勝った理由と負けた理由を比べられます。

導入でよくある失敗

  • 失注理由を自由記述だけで集める。集計できず、印象の強い案件に議論が引きずられます
  • 価格を選びやすい選択肢の並びにする。本当の理由が別にあっても価格に集まります
  • 集計しても担当部署に結果を渡さない。分析が報告書で終わり、打ち手につながりません

求人票にこの語がある場合に読み取れること

営業の結果を感覚ではなく記録と集計で振り返る組織だと読み取れます。営業企画、プロダクトマーケティング、RevOpsの求人では、失注の分類設計や集計、製品部門への報告が役割に含まれる可能性があります。

面接では、候補者がどの分類で失注を集計し、その結果から何を変えたかを聞いてください。集計した経験と、結果を使って製品や営業の手順を変えた経験は別のものです。

隣接手法との違い

手法中心にあるもの失注分析との違い
競合分析競合の製品・価格・戦略の調査相手を調べる。失注分析は自社の商談の結果から理由を集める
解約分析契約後に離れた顧客の理由契約した後の離脱が対象。失注分析は契約前
パイプライン管理進行中の商談の件数と金額の管理進行中の商談の予測に使う。失注分析は終わった商談を振り返る

出典