情報システム部門
(じょうほうしすてむぶもん/情シス)
- 国内で見られるように
- 1962年ごろ
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
情報システム部門は、企業のなかで従業員が使うIT環境と業務システムを統括する部門で、端末と権限の管理から基幹システムの企画・導入・運用までを担当します。
この職種の出自と登場時期
国内の企業では、業務へのコンピュータの導入とともに、情報システムを扱う部門が置かれてきました。コンピュータを利用する企業側の団体として、1962年4月に日本データ・プロセシング協会が創立されました。同協会は1992年に日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)へ改組され、現在も企業・団体のIT関連部門を会員とする団体として活動しています。
2006年には、経済産業省の委託で策定された情報システムユーザースキル標準(UISS)の初版が公開されました。UISSは、情報システムの企画・調達・評価・利活用といった機能を経営戦略の視点から一覧にし、情報システム部門に必要な人材の配置と育成に使うことを目的としています。
SaaSの利用とリモートワークの広がりによって、クラウドサービスとアカウントの管理、セキュリティの設計が、部門の業務に占める比重は大きくなっています。「コーポレートIT」の名称を使う企業も見られます。
ミッション
情報システム部門は、従業員が安全に、止まることなく業務を進められるITの基盤を提供することに責任を負います。業務の効率を上げるための投資と、情報漏えいや障害を防ぐための統制の両方が成果の対象です。
経営の方針に沿って、どの業務をどのシステムで支えるかを決め、ITへの投資の優先順位を経営層に提案することも役割に含まれます。
主な業務範囲
- 基幹システム・業務システムの企画、導入、運用
- SaaSの選定と契約、利用ルールの整備
- 従業員のアカウントと権限の管理、入退社に伴う手続き
- PC・スマートフォンなどの端末とネットワークの管理
- 情報セキュリティの規程の整備と、対策の運用
- 社内からのITに関する問い合わせへの対応(ヘルプデスク)
求められる能力
部門として、業務システム、ネットワーク、クラウドサービス、端末管理、セキュリティにわたる幅広い技術の知識が求められます。規模の小さい企業では、1人の担当者がこれらすべてを兼ねることも珍しくありません。
非技術面では、業務部門の要望を聞いて優先順位を決める力、ベンダーとの契約と交渉を進める力、経営層に投資の必要性を説明する力が必要です。規程を定めて従業員に守ってもらうための説明の力も問われます。
この職種に就く人のキャリア経路
部門の担当者は、ヘルプデスクやSIerのSE、インフラエンジニアから入る経路が多く見られます。新卒で配属される人もいます。
部門内では、社内SEとして企画と導入を担当する立場から、部門の管理職、責任者へ進みます。その後は、CIO、CISO、Corporate Security Engineer、DX推進部門の責任者へ進む経路があります。
隣接職種との違い
| 比較対象 | 責任の範囲 | 情報システム部門との違い |
|---|---|---|
| 社内SE | 業務システムの企画・導入・運用 | 部門に所属する個人の職種名。情報システム部門は組織の名称 |
| Corporate Security Engineer | 社内の端末・ネットワーク・SaaSの安全性 | セキュリティの設計が主目的。情報システム部門はIT全般を扱う |
| CSIRT担当 | セキュリティ事故の対応と統括 | 事故時の判断に特化する。情報システム部門は平常時の運用が中心 |
| 開発部門 | 自社プロダクトの開発 | 外部の顧客に向けた製品が対象。情報システム部門は従業員に向けた仕組みが対象 |
採用担当の見極めポイント
- 候補者が所属していた部門の人数と、候補者が担当していた範囲を確認してください。少人数の部門で全領域を担当してきた人と、大企業の部門で特定領域を担当してきた人では、強みが異なります
- クラウドやSaaSへの移行を主導した経験を聞いてください。移行の判断の根拠と、業務部門との調整を具体的に話せる人は、企画の立場を任せることができます
- 求人票には、部門の人数と、運用業務と企画業務の比率を明記してください。1人で全領域を担当する募集であれば、その点を明記しないと入社後の負担の見込みがずれます
求人・市場の傾向
情報システム部門の人材は、業界を問わず多くの企業が必要としている一方で、部門の規模は企業によって大きく異なります。媒体では「社内SE」「情報システム」「コーポレートIT」の職種カテゴリで募集されます。セキュリティとクラウドの知識を併せ持つ人材の募集が目立ち、求人票では担当の領域と部門の体制を具体的に書く必要があります。