ARPU
(あーぷ/Average Revenue Per User)
- 文書で確認(海外)
- 2003年
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
一定期間の売上を、その期間の利用者数や契約数で割った平均売上です。
提唱者と登場年
特定の提唱者はいません。英語版WikipediaはARPUを、通信やデジタルメディアの事業者が使う指標とし、期間中の総収入を加入者数で割った値と定義しています。ARPUは動画配信やゲームの事業でも使われます。
文書で確認できる例として、米連邦通信委員会(FCC)が携帯電話市場の競争状況を調べるために出した文書があります。2003年1月に米連邦官報へ掲載されたこの文書は、加入者1人あたりの月間平均収入をARPUと呼び、年次報告書で扱う主要な指標の一つに挙げています。同じ文書は、業界団体の調査と、各社が証券取引委員会へ提出する書類を、ARPUの数値の出どころとして示しています。
何を解決するか
利用者数が増えても、売上が同じ割合で増えるとは限りません。無料の利用者が多い事業や、プランごとに単価が異なる事業では、総売上だけを追うと単価の低下に気づけません。
ARPUは総売上を利用者1人あたりに揃え、単価の変化を利用者数の変化から切り分けます。値上げ、上位プランへの移行、追加機能の販売といった施策の結果は、利用者数ではなくARPUの推移に表れます。
前提として、分母の定義を社内で1つに決めておく必要があります。利用者、アカウント、契約のどれで割るかによって、同じ売上でも値が大きく変わるためです。
実際の進み方
まず期間を決めます。通信事業者の多くは月単位で計算します。期間中にも利用者数は増減するため、分母には期首の数ではなく期間中の平均を使います。
次に分母の範囲を決めます。無料の利用者を含めるか、支払いのあった利用者だけにするかで指標が分かれます。支払いのあった利用者だけで割った値はARPPUと呼ばれ、ARPU以上の値になります。
そのうえで、プランや顧客の規模ごとに分けて推移を追います。全体のARPUが上がっていても、単価の高い層の比率が増えただけで、既存の顧客の単価は変わっていないことがあります。
導入でよくある失敗
- 分母の定義を部署ごとに変える。営業とプロダクトが違う値を報告すると、施策の効果を比べられません
- 無料の利用者を含めた値と含めない値を混ぜて推移を描く。定義の変更が単価の変化に見えます
- ARPUだけで採算を判断する。ARPUは売上の平均であり、原価や獲得費用を差し引いた値ではありません
求人票にこの語がある場合に読み取れること
利用者数を増やすだけでなく、1人あたりの収益を伸ばす段階に入っている組織だと読み取れます。プロダクトマネージャーやマーケティングの求人でARPUの改善が挙がっている場合、料金設計や上位プランへの移行を担う役割が想定されている可能性があります。
面接では、分母に何を使っているか、どの施策でARPUが動いたかを聞いてください。候補者の経歴に「ARPUを改善した」とある場合も、同じ2点を確認すると、本人が担った範囲が具体的になります。
隣接手法との違い
| 指標 | 中心にあるもの | ARPUとの違い |
|---|---|---|
| ARPPU | 支払いのあった利用者1人あたりの収益 | 分母が有料の利用者に限られる |
| MRR | 月次の継続収益の合計 | 総額を示す。ARPUは1人あたりの平均 |
| LTV | 1人の顧客が取引を続けるあいだにもたらす利益 | 継続期間を含む。ARPUはある期間の単価 |