リファレンスチェック
(りふぁれんすちぇっく/Reference Check)
一言でいうと
候補者の同意を得たうえで、候補者と一緒に働いた人から、仕事ぶりや役割についての証言を集める手続きです。
もう少し詳しく
リファレンスチェックは、面接で本人が語った経験を、第三者の視点で確かめるために行います。推薦者は候補者が指名する形が一般的で、企業は推薦者に電話や質問票で話を聞きます。
この手続きは、本人の同意なしには進められません。職業安定法第五条の五は、労働者の募集を行う者に対し、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者の個人情報を収集するよう定めています。同法にもとづく厚生労働省の指針は、個人情報を本人から直接収集するか、本人の同意の下で本人以外の者から収集するなど、適法かつ公正な手段によるよう求めています。同意を得る際には、同意を求める事項を具体的かつ詳細に示すこと、必要な範囲を超える収集への同意を応募の条件にしないこと、本人の自由な意思で明確に示された同意であることが求められます。
前職の企業に人事記録の提供を求める場合は、個人情報保護法第二十七条も関わります。同条は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供することを、法令にもとづく場合などを除いて禁じています。
身元調査とは区別してください。厚生労働省の「公正な採用選考」は、身元調査の実施を就職差別につながるおそれのある事項に挙げています。家族や出身地など、職務と関係のない事項を推薦者に聞いてはいけません。病歴などの要配慮個人情報は、個人情報保護法第二十条第二項により、法令にもとづく場合などを除いて、あらかじめ本人の同意を得ないで取得できません。運用を始める前に、弁護士などの専門家に確認してください。
実務でどう使うか
実施は内定を出す前に置きます。内定を出した後の結果を理由に内定を取り消す場合、取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められ、判断は通常の選考より難しくなります。内定後に実施する運用を検討するときは、弁護士に確認してください。実施にあたっては、候補者に「誰に、何を、何の目的で聞くか」を書面で示して同意を得ます。質問項目は、面接で確かめた職務上の事実と重なるものに絞ります。現職の上司を推薦者にすると転職活動が現職に伝わるため、推薦者の選び方は候補者と相談します。
よくある失敗
- 同意の範囲を曖昧にしたまま、候補者が指名していない人に連絡する
- 推薦者の評価をそのまま合否に使う。一人の証言には推薦者の立場と関係性が反映されます
- 職務と関係のない私生活の質問を混ぜる。身元調査と同じ問題を抱えることになります
混同されやすい用語
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| 身元調査 | 家族や出身地など職務と関係のない事項を調べること | 公正な採用選考の考え方で避けるべきとされる |
| バックグラウンドチェック | 経歴や資格の記載の真偽を確かめる調査 | 事実の照合が中心。働きぶりの証言ではない |
| リファラル採用 | 社員の紹介で候補者と接点を持つ手法 | 候補者を探す経路。確認の手続きではない |