Chief Strategy Officer

(ちーふすとらてじーおふぃさー/最高戦略責任者)

文書で確認(海外)
2007年
更新
2026-10-11

一言でいうと

全社の戦略を策定し、その実行を経営の中で推し進める経営層の役職です。国内では「最高戦略責任者」と訳され、CSOと略されます。

この職種の出自と登場時期

Harvard Business Reviewは2007年10月号で「The Chief Strategy Officer」を掲載し、CEOが戦略の実行を委ねる役職としてCSOを取り上げました。この役職は通常CEOに報告し、戦略の策定と管理に責任を持ち、M&Aや提携などの戦略的な取り組みを主導します(英語版Wikipedia)。

国内では、上場企業が適時開示で「Chief Strategy Officer(最高戦略責任者)」の新設を公表する例があります。例として、デジタルホールディングスは2023年2月に、グループCXOの選任とあわせてこの役職の新設を公表しました。

CSOの略称はChief Sales Officer(最高営業責任者)、Chief Sustainability Officer(最高サステナビリティ責任者)などと重なります。求人票や名刺でCSOを見たときは、どの職務を指しているかの確認が必要です。

ミッション

経営が決めた方向を、事業ごとの具体的な計画と投資の判断に落とし、計画どおりに進んでいる状態を保ちます。戦略を書くこと自体ではなく、各事業の責任者が同じ前提で動ける状態にすることが中心です。

主な業務範囲

  • 中期経営計画の策定と、進み具合の点検
  • 事業ポートフォリオの見直し。伸ばす事業・維持する事業・撤退する事業の判断材料を作る
  • M&A・資本提携・事業提携の検討と、実行後の統合の推進
  • 新規事業の評価の基準づくり
  • 経営会議・取締役会への戦略の説明

求められる能力

事業と財務の両方を数字で語れることが前提になります。市場の見立てを売上・利益・投資額に置き換え、案ごとの差を比べられる必要があります。

各事業の責任者を動かす調整力も要ります。直属でない事業部門に計画の見直しを求める配置では、根拠を示して合意を取る力が成果を左右します。

この職種に就く人のキャリア経路

出身の例には、戦略コンサルティング会社、投資銀行、事業会社の経営企画部門があります。就任後は、COO、事業責任者、CEOへ進む経路があります。

隣接職種との違い

比較対象責任の範囲Chief Strategy Officerとの違い
CEO経営全体の最終決定方向を決めて責任を負う。CSOは方向を計画に落とし、実行を推進する
COO日々の事業運営現在の事業を回す。CSOは中長期の計画と事業の組み替えを担う
CFO財務と資本政策資金と数字の管理が中心。CSOは事業の選択と投資の方向を担う
経営企画部長計画の取りまとめと予算の管理部門長の職位。CSOは経営陣の一員として判断に加わる

上位職・下位職・同階層の役職と比べると、次のような違いがあります。企業によって置かれ方は異なるため、配置の一例として示します。

役職意思決定の範囲予算・採用の権限取締役会との関係組織規模の目安
CEO(上位)全社の経営方針の最終決定全社の予算と経営陣の任命経営の結果を取締役会に説明する全社
Chief Strategy Officer中期経営計画、事業ポートフォリオ、M&A・提携の方針経営企画部門の予算と採用。M&Aの検討費用戦略と投資の案を取締役会に説明する経営企画部門と、全社の事業計画
COO・CFO(同階層のCxO)日々の事業運営、または財務と資本政策担当する部門の予算と採用事業の実績、または財務の状況を報告する事業部門全体、または財務部門
経営企画部長(下位)計画の取りまとめと進み具合の点検部門内の予算の執行と担当者の採用直接の関わりは少ない経営企画部門

採用担当の見極めポイント

  • 候補者が策定に関わった計画が、実行の段階でどう変わったかを聞いてください。計画の修正の理由と判断を説明できる場合は、策定だけでなく推進まで担ってきたと判断できます
  • M&Aや提携の経験は、検討・交渉・統合のどの段階を担当したかを分けて確認してください。統合後の事業の成果まで追ったかどうかも、あわせて聞いてください
  • 自分の部下でない事業部門をどう動かしたか、具体的な場面を聞いてください

求人・市場の傾向

国内では、上場企業が適時開示で新設を公表する例があり、経営企画担当役員・戦略担当執行役員という日本語の役職名も使われます。求人票では、CSOの略称がどの職務を指すか、経営企画部門を所管するか、M&Aの決裁にどこまで関わるかを明記する必要があります。

出典