Chief Sustainability Officer
(ちーふさすてなびりてぃおふぃさー/最高サステナビリティ責任者/CSuO)
- 文書で確認(海外)
- 2004年
- 更新
- 2026-10-11
一言でいうと
環境・社会に関わる目標と取り組みを全社で統括する経営層の役職です。国内では「最高サステナビリティ責任者」と訳され、CSOまたはCSuOと略されます。
この職種の出自と登場時期
米DuPontは、2004年に同社のChief Sustainability Officerを任命したと説明しています。この役職は企業の環境関連の取り組みを統括するC-suiteの役職で、21世紀に入って複数の企業が同様の役職を設けました(英語版Wikipedia)。
国内では、サステナビリティの推進体制を整える際に、この役職を新設する企業があります。例として、コーエーテクモホールディングスは2023年に、サステナビリティの執行責任者としてCSuOを新設しました。
CSOの略称はChief Strategy Officer(最高戦略責任者)やChief Sales Officer(最高営業責任者)と重なります。CSuOと表記する企業もあります。
ミッション
環境・社会に関する目標を、各事業の計画と投資の判断に組み込み、その進み具合を社内外に説明できる状態を実現します。方針を掲げることではなく、事業部門の数字と行動が目標に沿って動いている状態にすることが中心です。
主な業務範囲
- サステナビリティの方針と中長期の目標の策定
- 温室効果ガスの削減、人権への配慮、調達先の管理などの全社の取り組みの統括
- 統合報告書やサステナビリティの情報開示の取りまとめ
- 投資家・評価機関・取引先からの問い合わせへの対応
- 事業部門の計画への目標の組み込みと、進み具合の点検
求められる能力
環境・社会の課題を、事業の収益や費用、投資の判断と結びつけて説明できることが求められます。目標が事業の計画と切り離されていると、取り組みは報告のための作業にとどまります。
開示の基準や規制の動向を追い、自社に必要な対応を判断する力も要ります。社内の多くの部門からデータを集めるため、部門を横断して協力を取り付ける調整力も必要です。
この職種に就く人のキャリア経路
経営企画、広報・IR、環境・品質の管理部門の出身者のほか、コンサルティング会社や評価機関の出身者が就く例があります。就任後は、経営企画や事業の責任者、取締役へ進む経路があります。
隣接職種との違い
| 比較対象 | 責任の範囲 | Chief Sustainability Officerとの違い |
|---|---|---|
| Chief Strategy Officer | 全社の戦略と事業ポートフォリオ | 事業の選択と投資が中心。Chief Sustainability Officerは環境・社会の目標を事業に組み込む |
| CFO | 財務と資本政策、財務の開示 | 財務情報が対象。Chief Sustainability Officerは非財務の情報と目標を担う |
| IR担当 | 投資家への説明 | 説明の窓口。Chief Sustainability Officerは説明する取り組みそのものを統括する |
| 環境・安全の管理部門長 | 工場や拠点の環境対策と法令の順守 | 現場の管理が対象。Chief Sustainability Officerは全社の方針と目標を決める |
上位職・下位職・同階層の役職と比べると、次のような違いがあります。企業によって置かれ方は異なるため、配置の一例として示します。
| 役職 | 意思決定の範囲 | 予算・採用の権限 | 取締役会との関係 | 組織規模の目安 |
|---|---|---|---|---|
| CEO(上位) | 全社の経営方針の最終決定 | 全社の予算と経営陣の任命 | 経営の結果を取締役会に説明する | 全社 |
| Chief Sustainability Officer | 環境・社会の方針と中長期の目標、情報開示の方針 | サステナビリティ推進部門の予算と採用 | 目標の進み具合とリスクを取締役会や委員会に報告する | サステナビリティ推進部門と、全社の取り組み |
| CFO・Chief Strategy Officer(同階層のCxO) | 財務と資本政策、または全社の戦略 | 担当する部門の予算と採用 | 財務の状況、または戦略と投資の案を説明する | 財務部門、または経営企画部門 |
| サステナビリティ推進室長(下位) | 取り組みの実行と開示資料の作成 | 部門内の予算の執行と担当者の採用 | 直接の関わりは少ない | サステナビリティ推進部門 |
採用担当の見極めポイント
- 候補者が関わった目標が、事業部門の計画や予算にどう組み込まれたかを聞いてください。組み込みの手順と、反対した部門との調整を説明できる場合は、方針づくりにとどまらず推進まで担ってきたと判断できます
- 情報開示の経験は、どの基準に沿った開示を、どの範囲まで担当したかを確認してください
- 取り組みの成果を、温室効果ガスの削減量や、見直した調達先の件数・割合といった具体的な数字で説明できるかを確認してください
求人・市場の傾向
国内では、サステナビリティの推進体制を整える際に新設を公表する企業があり、サステナビリティ推進室長やサステナビリティ担当執行役員という日本語の役職名も使われます。求人票では、CSOとCSuOのどちらの略称を使うか、開示の担当範囲、事業部門への権限の強さを明記する必要があります。