職種・体制

ソリューションアーキテクト

そりゅーしょんあーきてくと/Solutions Architect

登場(海外)
2006
国内で見られるように
2012年ごろ
更新
2026-08-24

一言でいうと

顧客の課題に対して自社の製品やクラウドを使った技術構成を設計し、商談の場で実現方法を示して、導入の入り口までを担当する職種です。

この職種の出自と登場時期

技術に強い担当が営業に同席する仕事は古くからあり、国内では長く「セールスエンジニア」「プリセールス」と呼ばれてきました。「ソリューションアーキテクト」という呼称を広めたのはクラウド事業者です。AWS は2006年にサービスを開始し、クラウドの普及とともに、顧客の構成設計を担当する職種としてソリューションアーキテクトを置くようになりました。後には同名の認定資格も提供しています。ページ上部の2006年はこのサービス開始の年で、職種名として業界に共有されたのはその後です。認定資格の普及によって、職種名と技術水準の対応が共有されました。

国内でこの呼称が定着したのは2012年前後で、クラウドの導入が本格化した時期と重なります。現在は、クラウド事業者・SaaSベンダー・SIerのいずれでも使われており、担当範囲は会社ごとに異なります。提案までを担当する場合と、導入後の技術支援まで含む場合があります。

なお、セールスエンジニアという呼称と完全に同義で使われる組織もあります。求人票では、営業目標を負うかどうかを確認する必要があります。

ミッション

問われるのは、顧客の課題が自社の技術で解決できることを、実現可能な構成として示せるかどうかです。商談を進めるための説明ではなく、導入後に破綻しない設計であることが前提になります。

そのため、受注のために無理な構成を提案しない判断が求められます。成果は受注額に加えて、導入後の稼働状況や継続利用の状態まで含めて見られる組織が増えています。

主な業務範囲

  • 要件のヒアリング。顧客の業務課題と既存システムの制約を把握する
  • 技術構成の設計。自社製品やクラウドサービスを組み合わせた構成案を作る
  • 提案と説明。提案書とデモを用意し、顧客の技術担当と経営層それぞれに説明する
  • 検証の支援。PoC(概念実証)の計画と実施を支援し、判断材料を提供する
  • 導入初期の支援。設計どおり動く状態まで立ち上げ、運用担当へ引き継ぐ

求められる能力

技術面では、クラウド・ネットワーク・データベース・セキュリティを横断した設計力が問われます。深さより、全体の構成を破綻なく組み立てる幅が重視されます。認定資格が要件に入る求人も多く見られます。

技術面と同じくらい見られるのが、相手に合わせて説明の粒度を変える力です。技術担当には実装の詳細を、経営層には投資対効果を説明する必要があり、書く力と話す力の両方が問われます。

この職種に就く人のキャリア経路

多いのはインフラエンジニア・バックエンドエンジニアからの移行です。構築の実務経験を持つ人が、提案側へ回る流れが一般的です。SIerの上流工程を担当してきた人が、製品ベンダー側へ移るケースもあります。

この先は、アーキテクトとして技術部門に戻る道、顧客担当組織の責任者になる道、プロダクトマネージャーへ移る道に分かれます。Forward Deployed Engineer として導入の実装まで担当する形も、AI領域では選択肢になっています。

隣接職種との違い

職種責任の中心ソリューションアーキテクトとの違い
Forward Deployed Engineer顧客現場での自社プロダクトの作り込み導入後にコードを書いて業務に合わせる。SAは提案段階の設計が中心
ソフトウェアアーキテクト自社プロダクトの内部構造の設計対象が自社システム。SAは顧客ごとの構成を設計する
インフラエンジニア自社または顧客の基盤の構築と運用作って運用する。SAは何を作るかを提案する
カスタマーサクセス導入後の活用と継続利用技術設計を担当しない。SAは構成の妥当性に責任を持つ

採用担当の見極めポイント

  • 求人票では、営業目標を負うかどうかを明記してください。技術に集中したい候補者にとって、この点は応募判断を左右します
  • 経歴書では、提案した構成が導入まで到達したかを確認してください。提案書を書いた経験と、稼働まで見届けた経験では、任せられる範囲が変わります
  • 出張と顧客対応の頻度を伝えてください。開発職からの転向では、働き方の変化が離職理由になる場合があります

求人・市場の傾向

構築経験と説明力の両方を備えた候補者は限られ、採用競合はクラウド事業者と外資系ベンダーになります。国内の事業会社が採用する場合は、報酬水準の差を前提にした訴求が必要です。

求人票では、担当する顧客層、提案する製品、既存チームの人数を書くと、候補者が仕事の性質を判断できます。

関連キーワード

プリセールス / PoC / 提案書 / AWS認定 / クラウド設計 / エンタープライズ営業 / アーキテクチャ

出典