運用・保守
(うんよう、ほしゅ)
- 起点・背景(海外)
- 1993年
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
稼働しているシステムを使える状態に保ち、監視、問い合わせへの対応、障害への対応、改修を続ける業務の総称です。
提唱者と登場年
運用・保守は、日本のシステム開発の現場で、開発の工程に続く業務をまとめて指す呼び名です。このうち保守の側を規格として文書にしたものに、米国電気電子学会(IEEE)のIEEE 1219「Standard for Software Maintenance」があり、1993年6月に発行されました。この規格は、ソフトウェア保守の活動を管理し実行する過程を定めています。
国内では、独立行政法人情報処理推進機構が2020年12月に公開した「情報システム・モデル取引・契約書」第二版が、受託開発とあわせて保守運用を対象にした契約のひな型を示しています。同じ契約書は、本番で運用するための運用テストを、開発の最終段階の業務として定めています。
何を解決するか
システムは作って終わりではなく、稼働を続けるあいだに障害、利用者からの問い合わせ、法令や外部サービスの変更への対応、機能の追加が発生します。これらを誰が、どの範囲で、どの時間帯に対応するかを決めておかないと、対応が属人化し、担当者が不在のときにサービスが止まります。
運用と保守は、分けて扱う組織もあります。運用は監視、定型作業、問い合わせへの一次対応など、システムを動かし続ける作業を指します。保守は不具合の修正や環境の変化への対応など、ソフトウェアそのものを変更する作業を指します。
実際の進み方
稼働前に、監視する項目、障害時の連絡経路、対応する時間帯、定型作業の手順を運用設計として文書にします。稼働後は、監視で異常を検知したら手順に沿って一次対応し、必要に応じて開発側へ引き継いで修正します。
改修の依頼は、依頼の受付、影響範囲の調査、見積り、実装、テスト、リリースの順で進めます。依頼が随時発生する業務のため、期間で区切る計画よりも、作業の流れと滞留を可視化する進め方が合う場合があります。
導入でよくある失敗
- 保守契約の範囲に何が含まれるかを決めず、改修の依頼が無償の対応として積み重なる
- 手順書が稼働時点のまま更新されず、担当者の記憶に頼る運用になる
- 開発した人がいなくなった後に、設計の意図を知る人が残らない
求人票にこの語がある場合に読み取れること
求人票に「運用・保守」とある場合、既存システムの安定稼働が業務の中心で、新規開発の比率は低いと推定できます。夜間や休日の対応、シフト勤務の有無が条件に関わるため、求人票と面談の両方で確認してください。SREの文脈では、同じ業務をソフトウェアで自動化し、手作業を減らすことが目標に据えられます。候補者には、定型作業をどこまで自動化したか、障害の再発防止策を自分で立てた経験があるかを確認してください。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | 運用・保守との違い |
|---|---|---|
| SRE | 運用をソフトウェアの課題として扱う実践 | 手作業の削減と信頼性の目標管理が中心 |
| インシデント対応 | 障害が起きたときの検知から復旧までの活動 | 運用・保守の一部で、非常時の対応に限る |
| リリース管理 | 本番への変更の反映を統制する活動 | 変更の段取りに限る |