Chief Security Officer
(ちーふせきゅりてぃおふぃさー/最高セキュリティ責任者)
- 普及(海外)
- 1990年代
- 更新
- 2026-10-11
一言でいうと
情報セキュリティに加えて、施設や人の安全、危機管理まで含めた会社全体の安全に責任を持つ経営層の役職です。国内では「最高セキュリティ責任者」と訳され、CSOと略されます。
この職種の出自と登場時期
Computerworldは2009年の記事「Evolution of the CSO」で、2009年の時点ですでに10年以上、CSOの職が増え続けてきたと述べています。この記述によると、CSOの職は1990年代から広がってきました。物理的なセキュリティの出身者であっても、この職には情報システムとデータに対する脅威の理解が求められます。
この役職は組織のセキュリティの方針と取り組みに責任を持つ最上位の役員で、組織によってはセキュリティの要素をCISOの役職にまとめています(英語版Wikipedia)。
国内では、情報セキュリティの責任者をCISOと表記する例があり、CSOという略称は営業・戦略・サステナビリティなどの責任者にも使われます。求人票や名刺でCSOを見たときは、どの職務を指しているかの確認が必要です。
ミッション
情報、施設、人、事業の継続という会社の資産全体を対象に、事故や攻撃、災害による損害を抑える状態を実現します。個々の対策の導入ではなく、どのリスクにどれだけ備えるかを経営として決め、部門をまたいで実行させることが中心です。
主な業務範囲
- 情報セキュリティ・物理的なセキュリティ・危機管理の方針の策定
- 入退室の管理、施設の警備、従業員の安全の確保に関わる仕組みの整備
- 事故や災害が起きたときの対応手順と、事業継続計画の整備
- 不正や情報漏えいの調査と、再発防止の推進
- 経営会議・取締役会へのリスクの状況の報告
求められる能力
情報と物理の両方のセキュリティを理解し、どちらか一方に偏らずにリスクを比べられることが求められます。片方の出身であっても、もう一方の脅威と対策を説明できる必要があります。
事故が起きたときに、経営・法務・広報と連携して判断を下す力も要ります。平時の対策と、有事の対応の両方を指揮できることが、この職種の要件です。
この職種に就く人のキャリア経路
情報セキュリティの責任者やCISOを経て就く経路と、警察・危機管理・施設の警備の分野から就く経路があります。就任後は、リスク管理の担当役員や、経営全体のリスクを扱う役職へ進む経路があります。
隣接職種との違い
| 比較対象 | 責任の範囲 | Chief Security Officerとの違い |
|---|---|---|
| CISO | 情報とシステムのセキュリティ | 情報が対象。Chief Security Officerは施設や人の安全、危機管理まで含める。両方を置かずCISOが兼ねる会社もある |
| CIO | 社内のIT戦略と情報システム | ITの活用が中心。Chief Security Officerは守る側の方針を担う |
| リスク管理部門長 | 全社のリスクの洗い出しと管理 | 財務や法令などのリスクも扱う。Chief Security Officerは安全と保護に関わるリスクが中心 |
上位職・下位職・同階層の役職と比べると、次のような違いがあります。企業によって置かれ方は異なるため、配置の一例として示します。
| 役職 | 意思決定の範囲 | 予算・採用の権限 | 取締役会との関係 | 組織規模の目安 |
|---|---|---|---|---|
| CEO(上位) | 全社の経営方針の最終決定 | 全社の予算と経営陣の任命 | 経営の結果を取締役会に説明する | 全社 |
| Chief Security Officer | 情報・施設・人の安全と危機管理の方針 | セキュリティ組織の予算と採用 | 安全と保護に関わるリスクを報告する | セキュリティ組織と、全社の対策 |
| CIO(同階層のCxO) | 全社のIT戦略と情報システム | IT部門の予算と採用 | ITの投資と活用の状況を報告する | 情報システム部門 |
| CISO(同階層、または配下に置く形) | 情報セキュリティの方針 | 情報セキュリティ組織の予算と採用 | 情報セキュリティのリスクを報告する | 情報セキュリティ組織 |
| 施設警備・危機管理の責任者(下位) | 拠点の警備と危機対応の運用 | 部門内の予算の執行と担当者の採用 | 直接の関わりは少ない | 警備・危機管理の担当組織 |
採用担当の見極めポイント
- 候補者が担当してきた範囲が、情報セキュリティだけか、施設や人の安全・危機管理まで含んでいたかを分けて確認してください
- 実際に対応した事故や災害と、そのときの判断を聞いてください。経営や法務とどう連携したかを具体的に説明できる場合は、有事の指揮を担ってきたと判断できます
- 予算の配分をどう決めたかを確認してください。リスクの大きさと費用を比べて説明できるかが、経営の一員としての役割を担えるかの判断材料になります
求人・市場の傾向
CISOは情報システムやデータの安全に重点を置き、Chief Security Officerは物理的な安全や危機管理まで含むという区分の例があります。一方で、両者を統合する企業や、2つの肩書きを同じ意味で使う企業もあります。求人票では、CSOの略称がどの職務を指すか、CISOを別に置くか、物理的なセキュリティを所管するかを明記する必要があります。