ADC
(えーでぃーしー/アプリケーションのデフォルト認証情報/Application Default Credentials)
- 公開(海外)
- 2015年
- 更新
- 2026-10-17
一言でいうと
Google Cloudの認証ライブラリが、プログラムの動く環境から認証情報を自動で探して読み込む仕組みです。プログラムの中に認証の手順を個別に書かなくても、手元の開発環境と本番の環境の両方で、同じコードのままGoogleのAPIを呼び出すことができます。
開発元と登場年
開発元はGoogleです。2015年7月20日、同社はGoogle Cloud Platformのブログで「Application Default Credentials」を発表しました。発表の時点で、Java、Python、Node.js、Ruby、Goのライブラリが対応していました。
何を解決するために生まれたか
GoogleのAPIは、OAuth 2.0という認可の標準で、操作してよい呼び出し元かを確認します。ADCが登場する前は、APIを最初に呼び出すだけでも、認証のための定型的なコードを多く書く必要がありました。また、開発中は自分のアカウント、本番ではサーバーに割り当てたアカウントというように、環境によって使う認証情報が異なります。
ADCは、認証情報を探す場所と順番をライブラリの側で決めておき、手元でも本番でも同じコードのまま認証できるようにしました。多くの場合、プログラムに書くのは「ADCで認証する」という1行で済みます。
どこで使われているか
Google Cloudのクライアントライブラリや、Googleの各種APIを呼び出すプログラムで使われています。ADCは次の順番で認証情報を探します。
| 順番 | 探す場所 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1 | 環境変数GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALSが指すファイル | 認証情報のファイルを明示的に渡す場合 |
| 2 | gcloud auth application-default loginで作成したファイル | 開発者が自分のアカウントで手元から試す場合 |
| 3 | 実行中のサーバーに割り当てられたサービスアカウント | Google Cloud上の本番の環境 |
Claude CodeやCodexのようなAIエージェントからGoogleスプレッドシートを読み書きする場合にも、Sheets APIを有効にしたうえで、ADCを使って自分のアカウントの権限でスプレッドシートを操作できるようにする方法があります。会社のGoogle Workspaceでは、管理者の許可が必要になることがあります。
人材市場の実情
ADCという語が求人票の要件に単独で書かれることはまれです。「Google Cloudでの開発・運用経験」「IAMの設計経験」といった要件の中に含まれる知識として扱われます。
Google Cloud上のシステムで、サービスアカウントや権限の設計を担うバックエンドエンジニアやSREは、ADCを日常的に扱います。
混同されやすい技術との違い
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| クレデンシャル | 本人やプログラムであることを証明する情報の総称 | 認証情報そのもの。ADCは認証情報を探して読み込む仕組み |
| サービスアカウント | 人ではなくプログラムに割り当てるGoogle Cloudのアカウント | ADCが使う認証情報の持ち主の1つ。キーファイルか、実行環境への割り当てを通じて使われる |
| APIキー | APIの呼び出し元を識別する文字列 | 呼び出すたびに、プログラムがキーを明示的に付けて送る。ADCは、環境に置かれた認証情報をライブラリが自動で探して使う |
採用担当の見極めポイント
- 手元の開発環境と本番の環境で、認証情報をどう切り替えているかを具体的に説明できる場合は、ADCが認証情報を探す順番を踏まえて運用してきたと考えられます
- 本番ではサービスアカウントのキーファイルを使わず、実行環境に割り当てたアカウントで動かしていると話せる場合は、キーの漏えいを防ぐ設計まで担ってきたと判断できます
- サービスアカウントに与える権限を必要な範囲に絞った経験を話せる場合は、権限の設計にも関わってきたと判断できます