技術・開発

技術的負債

ぎじゅつてきふさい/Technical Debt

登場(海外)
1992
更新
2026-08-25

一言でいうと

設計上の妥協が積み上がり、後の変更が重くなっていく状態を指します。単に品質の低いコードを指す言葉ではありません。

開発元と登場年

Ward Cunninghamが1992年に用いた比喩です。Martin Fowlerの解説が広く参照されています。もとの比喩は、理解が進むにつれて設計を書き直していく前提のものでした。

何を解決するために生まれたか

技術者以外に、内部の作り直しがなぜ必要かを説明するための言葉です。外から見て機能が増えない作業は、事業側から見ると価値が分かりにくくなります。借金の比喩は、いま返さないと利息が増えるという形でこの説明を可能にしました。

一方で、この比喩は雑に使われがちです。単に品質の低いコードを指して使うと、意図的な妥協という前提が抜け落ちます。

どこで使われているか

開発計画の議論、経営への説明、採用の場面で使われます。求人票では、既存システムの改善に取り組む姿勢を示す文脈で登場します。

事業が拡大した企業が改善の必要を説明する場面で、日本でも使われることが増えました。

人材市場の実情

求人票にどう書くかがすべてです。経歴に書かれる語ではないため、検索の条件にはなりません。

求人票に書くときは、扱い方で印象が大きく変わります。「技術的負債の返済」とだけ書くと、候補者は改善が後回しにされてきた環境を想像します。何をどう返すのか、そのための時間が確保されているのかまで書いてください。ここが具体的な求人ほど、経験のある候補者からの反応が良くなります。

混同されやすい技術との違い

用語指すものこの語との違い
レガシーシステム保守が難しくなった古いシステム対象がシステム全体
リファクタリング振る舞いを変えずに内部を整える作業返済の手段
品質の低いコード単に雑に書かれたコード意図的な妥協という前提がない

採用担当の見極めポイント

  • 求人票には、何をどう返すのかと、そのための時間が確保されているかを書いてください
  • 候補者には、返済をどう事業側に説明したかを聞くと、技術以外の力が見えます
  • 改善の実績を数字で語れる候補者は、優先順位をつけて取り組んだ経験があります。ただし数字が出せないことを外す理由にはしないでください。計測の仕組みがない環境にいた場合もあります

関連キーワード

リファクタリング / モノリス / レガシーシステム / テックリード

出典