AI・開発トレンド
RAG
(らぐ/Retrieval-Augmented Generation)
- 登場(海外)
- 2020年
- 国内で見られるように
- 2023年ごろ
- 更新
- 2026-08-24
一言でいうと
質問のたびに関係する文書を検索し、その中身を根拠として添えたうえで答えさせる方式です。
開発元と登場年
2020年に Facebook AI Research(当時)の Lewis らが発表した論文が起点です。モデルの内部知識だけで答えるのではなく、外部の知識源を検索して取り出し、その内容を条件として生成する仕組みを示しました。
国内で実装として広まったのは2023年です。社内文書を扱う生成AIの案件がほぼすべてこの構成を採るようになり、現在では標準的な設計と見なされています。
何を解決するために生まれたか
モデルは学習した時点までの知識しか持たず、社内の非公開文書は当然知りません。学習させ直す方法もありますが、費用と時間がかかり、更新のたびにやり直す必要があります。
RAG は、モデルを変えずに知識だけを差し替えられる構成です。文書を更新すれば検索結果が変わり、出力も追随します。根拠となる文書を渡すため、出典を示せる点、事実と異なる出力を抑えやすい点も利点になります。
どこで使われているか
社内規程やマニュアルへの問い合わせ対応、顧客サポートの回答支援、契約書や仕様書の検索が代表的です。プロダクトでは、ヘルプの検索、ドキュメントに基づく質問応答に使われます。
採用の実務では、過去の求人票やスカウト文面を検索して参照させる使い方があります。
人材市場の実情
生成AIの求人で最も要件に挙がる技術です。ただし、動くものを作るだけなら難度は高くありません。差が出るのは検索の精度で、文書の分割方法、検索方式の選び方、順位付けの調整といった地味な工程に踏み込めるかどうかで結果が変わります。
「RAG を作った経験あり」と書かれていても、試作止まりか、精度を測って改善したかを確認する必要があります。
媒体で探すときは、RAG という語だけで引かないでください。職務経歴書にこの語が書かれない例は多く、周辺の実装技術(ベクトルデータベースの製品名、埋め込みモデル、検索基盤)の名称を並べて検索するほうが到達します。件数は媒体ごとの職種カテゴリの定義で変わるので、自社が使う媒体の検索結果で確認してください。
混同されやすい技術との違い
| 用語 | 指すもの | RAG との違い |
|---|---|---|
| ファインチューニング | モデル自体を追加学習させる手法 | モデルを変える。RAG はモデルを変えずに知識を渡す |
| 全文検索 | 語の一致で文書を探す仕組み | 検索して終わり。RAG は検索結果を根拠に生成まで行う |
| ベクトル検索 | 意味の近さで文書を探す方式 | RAG の検索部分に使われる要素技術 |
| プロンプトエンジニアリング | 指示文の設計 | 指示の書き方。RAG は渡す情報そのものを用意する仕組み |
採用担当の見極めポイント
- 検索の精度をどう測ったかを聞いてください。評価用の質問と正解を用意したかどうかで、実務の水準が分かれます
- 文書の分割方法をどう決めたかを確認してください。既定値のまま使った場合と、文書の性質に合わせて調整した場合では結果が変わります
- 社内文書の権限管理をどう扱ったかが、実装の質を分けます。誰が見てよい文書かを無視した実装は、そのままでは業務に載せられません
関連キーワード
ベクトル検索 / 埋め込み / チャンク分割 / ハルシネーション / 出典 / コンテキストウィンドウ / 検索精度