プロダクトバックログ
(ぷろだくとばっくろぐ/Product Backlog)
- 文書で確認(海外)
- 2010年
- 更新
- 2026-09-24
一言でいうと
プロダクトを改善するために必要なことを、取り組む順に並べた一覧です。スクラムでは、チームが行う作業の唯一の情報源と位置づけられます。
提唱者と登場年
スクラムを考案したKen SchwaberとJeff Sutherlandが2010年に書いた最初のスクラムガイドで、スクラムの作成物の一つとして定義されました。現在の正本は2020年版のスクラムガイドです。
2020年版の日本語訳は、プロダクトバックログを「創発的かつ順番に並べられた、プロダクトの改善に必要なものの一覧」と定義し、スクラムチームが行う作業の唯一の情報源としています。2020年版では、プロダクトの将来の目標を示すプロダクトゴールもプロダクトバックログの中に含まれます。プロダクトオーナーが、項目の並び順を含むプロダクトバックログの管理に説明責任を負います。
何を解決するか
関係者の要望が複数の経路で開発チームに届き、何を先にやるかが声の大きさで決まる状態を防ぎます。すべての作業を一つの一覧に集め、並び順を決める人を一人に定めることで、優先順位の判断が一か所に集まります。
一覧を固定しないことも目的に含まれます。要件定義書のように最初に全体を確定させるのではなく、学んだことに応じて項目を追加、削除、並べ替えます。この進め方は、プロダクトオーナーが並び順を決める権限を実際に持っていることを前提にしています。
実際の進み方
項目は、上位ほど小さく具体的に、下位ほど大まかに書かれます。スクラムチームは、項目を分割してより小さく詳細にするリファインメントを継続的に行い、次のスプリントで取り組める状態に整えます。
スプリントプランニングでは、並び順の上位から、スプリントゴールに沿う項目を選んでスプリントバックログへ移します。スプリントレビューで得た利害関係者の意見は、プロダクトバックログの追加や並び替えに反映します。
導入でよくある失敗
- 要望をすべて登録して並び替えず、数百件の項目が放置される
- 並び順を決める人が事実上複数いて、スプリントのたびに優先順位が変わる
- 技術的負債の解消などの項目を載せず、機能追加だけが並ぶ
求人票にこの語がある場合に読み取れること
プロダクトマネージャーやプロダクトオーナーの求人に「プロダクトバックログの管理」とある場合、何を作るかの優先順位を決める権限を持つ役割だと読み取れます。ただし実態として、並び順の最終判断を事業責任者が握っている組織もあります。候補者には、並び順を決めるときに何を根拠にしたか、要望を断った経験があるかを確認してください。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | プロダクトバックログとの違い |
|---|---|---|
| スプリントバックログ | 1スプリントで取り組む項目と計画 | プロダクトバックログから選んだ一部 |
| 要件定義書 | 満たすべき条件を確定させた文書 | 最初に確定させる前提。バックログは更新を前提にする |
| ロードマップ | プロダクトの中長期の方向と時期の見通し | 大まかな時間軸。バックログは実行の順序 |