開発プロセス・方法論
AI駆動開発
(えーあいくどうかいはつ/AI-Driven Development)
- 登場(海外)
- 2025年
- 国内で見られるように
- 2025年ごろ
- 更新
- 2026-08-25
一言でいうと
生成AIを開発工程の中心に据えて進める開発の総称です。AIDDと略され、指す範囲は書き手によって差があります。
提唱者と登場年
単一の提唱者がいる方法論ではなく、コーディング支援ツールが実務に入った2024年から2025年にかけて、複数の企業と現場が同時に使い始めた呼称です。企業の公式文書にこの日本語表記が現れるのも2025年前後で、AWSは同年、この考え方を開発の全工程に広げたAI-DLCを公開しています。GitHubも同じ時期に、仕様を起点にAIへ実装させるSpec-Driven Developmentの解説と実装を公開しました。
呼称が新しいぶん、指す範囲は書き手によって揺れます。コーディング支援ツールを使うことまで含める用法と、設計や検証まで含めて工程を組み替える用法があり、求人票で見かけたときはどちらの意味かを確認する必要があります。
何を解決するか
実装にかかる時間が、開発全体の律速でなくなる状態を作ることが目的です。人が1行ずつ書いていた工程をAIが担うと、書く速さではなく、何を作るかを決める速さと、出てきたものを確かめる速さが全体を決めるようになります。
このため、AI駆動開発を導入した組織で増えるのは、仕様を言語化する作業とレビューの作業です。実装量が減ったぶんの時間がそこへ移ります。
実際の進み方
要件を自然言語で書き、AIに実装させ、人が検証する流れが基本です。検証を通らなければ指示を直して再生成します。結果を左右するのは、指示の粒度と、検証が自動化されているかどうかです。テストが整備されていない状態でこの進め方に入ると、生成物の妥当性を人が目で追うことになり、かえって遅くなります。
チームで進める場合は、生成の単位を小さく保ちます。一度に大きな範囲を生成させると、レビューが追いつかず、誰も中身を把握していないコードが積み上がります。
導入でよくある失敗
- レビューと検証の体制を変えないまま量を増やす。確認が追いつかず、生成物がそのまま残ります
- テストが薄い状態で始める。生成物の正しさを確認する手段がないためです
- 設計の判断までAIに委ねる。なぜその構造にしたかを説明できるのは人だけです
求人票にこの語がある場合に読み取れること
2026年時点では、AIの活用に触れる記述はほとんどの求人票にあります。この語があること自体は差になりません。読み分けるのは、工程のどこがどう変わったかまで書かれているかです。
要件や検索条件には使えません。経験として書ける候補者が2025年以降の1年強しかおらず、必須要件に入れると送信できる相手が実質いなくなります。
自社側では、レビューと検証の体制をどう変えたかを確認します。ツールを配っただけの段階か、工程まで組み替えた段階かで実態は大きく違います。候補者には、生成物の品質をどう確かめていたかを聞きます。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| AI-Native開発 | 生成AIを前提に据えた開発のあり方 | 状態を指す言葉。AI駆動開発は進め方を指す |
| AI-DLC | AWSが公開した工程まで含む方法論 | 名前のついた具体的な方法論のひとつ |
| 仕様駆動開発 | 仕様を起点にAIへ実装させる進め方 | AI駆動開発の一形態 |
| コーディング支援ツールの利用 | 補完や生成を道具として使うこと | 道具の話。工程の組み替えを含まない |
関連キーワード
AI-DLC / 仕様駆動開発 / AI-Native開発 / AIコーディングエージェント