開発プロセス・方法論
AI-DLC
(えーあいでぃーえるしー/AI-Driven Development Life Cycle)
- 登場(海外)
- 2025年
- 国内で見られるように
- 2025年ごろ
- 更新
- 2026-08-25
一言でいうと
開発の全工程にAIを組み込む方法論です。AWSが公開した固有の名前であり、一般名詞ではありません。
提唱者と登場年
AWSが2025年7月31日にDevOpsブログで公開し、同年8月8日に日本語版が出ています。既存の開発手法が人主導の長い工程として設計されていること、一方でAIに丸ごと生成させる進め方も速度と品質の両面で十分でないことを出発点に、その中間を狙った方法論として提示されました。
新しい方法論のため、実務での適用例はまだ蓄積の途中です。求人票や技術ブログで見かけた場合、確立した標準としてではなく、試行の枠組みとして扱われていると考えるのが安全です。
何を解決するか
AIを部分的に使う進め方では、工程そのものは人の手作業を前提に組まれたままです。要件定義から設計、実装、テストまでの各段階に人の受け渡しが挟まるため、実装だけが速くなっても全体の期間はさほど縮みません。
この方法論は、工程の側をAIの働き方に合わせて組み替えます。AIが作業を進め、人は何を作るかの意図を示し、出てきたものを検証する役割に集中します。人の判断が要る箇所を工程のどこに置くかが設計の中心になります。
実際の進み方
意図を人が与え、AIが計画と実装を進め、要所で人が確認する形をとります。確認の単位を小さく保つことが前提で、大きな塊をまとめて検証する運用にすると、この方法論の利点が消えます。
導入するなら、まず検証の仕組みを整えてください。テストと評価の基盤がない状態では、AIが出したものを人が読むだけの工程になり、従来より遅くなります。
導入でよくある失敗
- 方法論の名前だけを導入し、レビューと検証の体制を変えない
- 人が確認する箇所を工程に置かない。速さだけが上がり、誰も中身を把握していない実装が積み上がります
- 既存の開発プロセスと二重に運用する。どちらの手順に従うかが現場で決まりません
求人票にこの語がある場合に読み取れること
開発プロセスの刷新に取り組んでいる組織です。ただし公開から日が浅い方法論なので、社内で実際にどこまで運用されているかは求人票からは読み取れません。
要件にも検索条件にも使えません。この語を経歴に書ける候補者はほとんど存在しない段階です。求人票に書く場合も、要件ではなく取り組みの説明として置いてください。
この語はAWSの環境を使っている組織で言及されることが多くなります。自社側では、どの工程に適用しているか、人の確認をどこに置いているかを確認します。候補者には、AIに任せる範囲をどこで線引きしていたかを聞きます。
隣接手法との違い
| 用語 | 指すもの | この語との違い |
|---|---|---|
| AI駆動開発 | AIを中心に据えた開発の総称 | 総称。AI-DLCはその中の名前のついた方法論 |
| 仕様駆動開発 | 仕様を起点にAIへ実装させる進め方 | 起点の置き方の話。AI-DLCは工程全体の設計 |
| アジャイル | 反復と適応を重視する開発の考え方 | 人のチームを前提とした考え方 |
関連キーワード
AI駆動開発 / 仕様駆動開発 / AIコーディングエージェント / AI-Native開発