開発プロセス・方法論

シフトレフト

しふとれふと/Shift-Left Testing

登場(海外)
2001
更新
2026-08-25

一言でいうと

テストや品質の作業を、工程の前方へ移す考え方です。テストを増やす話ではない点が、読み違えられやすいところです。

提唱者と登場年

Larry Smithが2001年に命名しました。工程を時間軸で左から右に描いたとき、テストを左へ動かす、という図式から来ています。「早く、頻繁にテストする」という標語の前半にあたります。

国内での普及時期は特定していません。DevOpsやCI/CDの文脈で使われます。近年はセキュリティの領域でも同じ語が使われ、脆弱性の検出を設計や実装の段階に組み込むことを指します。

何を解決するか

欠陥は、見つかる工程が後になるほど修正の費用が大きくなります。設計段階の考慮漏れは設計を直せば済みますが、リリース後に見つかれば、調査、修正、再テスト、告知までが必要になります。

早い段階で検出できる仕組みを工程に組み込むことで、この差を縮めます。テストを増やすことではなく、置く位置を変えることが眼目です。

実際の進み方

要件と設計のレビューに品質の観点を入れ、実装と同時に自動テストを整備し、統合の段階で検出できる検査を自動化します。テストの担当者が要件定義から関与する体制にすることも、この考え方の実装のひとつです。

セキュリティに適用する場合は、依存関係の脆弱性検査や静的解析を統合の工程に組み込みます。

導入でよくある失敗

  • 開発者にテストを押し付ける形で終える。工程の設計を変えないと負荷が増えるだけです
  • 自動化の対象を広げすぎる。維持できない検査は無視されるようになります
  • 後工程のテストを削る。前に移すことと、後を無くすことは別です

求人票にこの語がある場合に読み取れること

品質保証を後工程の検査として置いていない組織である可能性があります。QAエンジニアやSET(テストの仕組みを作る側のエンジニア)の募集で使われる場合、要件定義から関与する役割を想定していることが多くなります。

検索条件に翻訳するならQAエンジニアです。SETは経歴に書く人が少なく、媒体のカテゴリとしても定着していないため、補助的に使う程度になります。

自社側では、テストの担当者がどの工程から参加するかを確認します。候補者には、要件や設計のレビューに入った経験を聞きます。

隣接手法との違い

用語指すものこの語との違い
テスト駆動開発先にテストを書く実装者の手順個人の手順。シフトレフトは工程の設計
品質保証品質を担保する活動全般活動の総称
DevSecOpsセキュリティを開発と運用に統合する取り組みセキュリティ領域での実装のひとつ

関連キーワード

テスト駆動開発 / CI/CD / Embedded QA / DevSecOps

出典