職種・体制
Engineering Manager
(えんじにありんぐまねーじゃー/エンジニアリングマネージャー)
- 登場(海外)
- 2017年
- 国内で見られるように
- 2019年ごろ
- 更新
- 2026-08-24
一言でいうと
開発チームの成果と、メンバーの成長・評価に責任を持つ職種です。現場ではEMと略されます。
この職種の出自と登場時期
開発現場に管理職を置くこと自体は古くからありますが、「エンジニアリングマネージャー」という職種として整理されたのは2010年代後半です。2017年に Camille Fournier が『The Manager's Path』を出版し、メンターからテックリード、チームのマネージャー、マネージャーのマネージャー、そして組織を運営する立場までの段階を示しました。技術者が管理職へ進む道筋が、初めて体系立てて共有されます。
同時に、管理職に進まない技術職の道(Staff Engineer 以降)も整理されました。この2本立てが共有されたことで、この職種は「昇進の結果」ではなく「別の職種への転換」として理解されるようになります。
国内では2019年前後から求人票と組織図に定着し、コミュニティでの発信も活発です。ただし、プレイングマネージャーとして実装を続ける形と、管理に専念する形の両方があり、求人票では実装比率の確認が必要です。
ミッション
問われるのは、担当チームが継続して成果を出せる状態にあるかどうかです。自分の生産性ではなく、チームの生産性と、そこにいる人が成長しているかで評価されます。
そのため、短期の成果と中長期の育成の配分が判断の中心になります。目の前の納期を優先し続けると、数か月後にチームの力が落ちます。
主な業務範囲
- 目標と計画の設定。事業側の要求をチームの計画へ翻訳し、優先順位を決める
- 1on1と育成。メンバーの状況を把握し、成長の方向を一緒に決める
- 評価とフィードバック。等級と報酬の判断を行い、その根拠を本人へ伝える
- 採用。求人票の作成、面接、オファーの意思決定に関わる
- 組織の運営。チーム編成、開発プロセスの改善、他部署との調整を担当する
求められる能力
実装は手放してよいものの、メンバーの設計とコードの妥当性は自分で判断できる必要があります。難易度を見誤ると、計画も評価も同時に狂います。
仕事の中心は people management の実務です。評価を伝える力、対立を扱う力、採用で見極める力が問われます。加えて、事業側と技術側の言葉を相互に翻訳する役割も担います。
この職種に就く人のキャリア経路
多いのはテックリードからの移行です。チームの技術判断を担うなかで、育成と調整の比重が増して転換する流れが一般的です。他社でマネジメント経験を積んだ人が中途で入るケースもあります。
そこから先は、VPoE として組織全体を見る道、CTO、プロダクトマネージャーへ移る道、技術職へ戻って Staff Engineer になる道に分かれます。
隣接職種との違い
| 職種 | 責任の中心 | EMとの違い |
|---|---|---|
| テックリード | 担当チームの技術判断 | 技術に責任を持つ。EMは人と成果に責任を持つ |
| VPoE | 開発組織全体の運営と成果 | 対象が組織全体。EMは担当チームが単位 |
| Staff Engineer | チームを越えた技術課題の解決 | 技術で影響を出す。EMは人と組織を通じて影響を出す |
| プロダクトマネージャー | 作るものの決定と優先順位づけ | 何を作るかを決める。EMはどう作れる体制にするかを決める |
採用担当の見極めポイント
- 求人票では、実装の比率と評価権限の有無を明記してください。プレイングマネージャーを想定しているなら、その旨を書かないと入社後に齟齬が生じます
- 職務経歴書では、評価と採用に関わった経験を確認してください。評価の記述がないなら、低い評価をどう伝えたかを面接で聞いてください
- チームの状態を正直に伝えてください。立て直しが必要な状況を伏せて採ると、着任後の期待とずれます
求人・市場の傾向
需要は増え続けていますが、マネジメント経験のある候補者は限られ、テックリード層から育てる前提の募集が増えています。マネジメント経験の有無は職種カテゴリでは分かれないため、経歴の記述で判断してください。
チームの人数と構成、期待する時間配分、上位の組織体制。これらが書かれていない求人は、候補者側で役割を判断できません。
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