職種・体制

AIエンジニア

えーあいえんじにあ/AI Engineer

登場(海外)
2023
国内で見られるように
2018年ごろ
更新
2026-08-24

一言でいうと

AIをプロダクトや業務に組み込む仕事をまとめて指す呼称で、実務の中身は組織によって大きく異なります。

この職種の出自と登場時期

先にページ上部の年について断っておきます。この語は国内のほうが先に広まり、海外で独立した職種名として意識されたのは後です。順序が逆に見えますが誤りではありません。

国内で「AIエンジニア」という職種名が求人票に広がったのは2018年前後です。第三次AIブームと呼ばれた時期に、機械学習を扱う人材の募集が増え、機械学習エンジニア・データサイエンティスト・研究職をまとめた呼称として使われました。IPA も ITSS+ でデジタル領域の人材像を整理していますが、AIエンジニアという単一の職種としては定義していません。

海外では事情が異なります。ML engineer や research engineer といった呼称が使われてきたなかで、AI engineer が独立した職種名として意識され始めたのは2023年前後です。生成AIのAPIが普及し、モデルを学習させずに既存モデルを組み合わせて機能を作る仕事が大きな領域になったことが背景にあります。

この経緯から、現在の国内求人には2種類が混在しています。ひとつは自社でモデルを学習させる仕事、もうひとつは生成AIのAPIを使ってプロダクトの機能を作る仕事です。必要な経験も候補者の母集団も別なので、本用語集ではこの語を総称として扱い、実務は個別の語で説明します。

ミッション

AIエンジニアが責任を持つのは、AIを使って実際に機能する仕組みを届けるところまでです。技術検証の成功ではなく、利用者が使う状態まで到達させることが成果になります。

AIを使う機能は出力が確率的で、常に正しい結果が返るわけではありません。そのため、間違えたときの扱いを設計に含めることが、この職種の実務の中心にあります。

主な業務範囲

  • 課題に対する手法の選定。生成AIで解くのか、従来の機械学習か、ルールベースで足りるかを判断する
  • 実装。モデルの学習と評価、またはAPIの組み込みとプロンプトの設計を行う
  • 精度の評価。出力の品質を測る基準とデータセットを用意し、継続的に測る
  • 本番運用。推論の遅延とコスト、失敗時の代替動作、ログと監視を設計する
  • 制約への対応。個人情報の扱い、利用規約、権利関係を確認して実装に反映する

求められる能力

前提になるのは、Python を中心とした実装力と機械学習の基礎です。加えて、APIとデータ処理の理解が問われます。生成AI領域では、RAGの構成、評価データセットの作成、エージェントの設計が要件に入る例が増えています。

技術面と同じくらい見られるのが、AIで解くべきかどうかを判断する力です。精度が一定に届かない前提で、業務として成立する設計を提案できるかどうかが成果を左右します。

この職種に就く人のキャリア経路

入口は幅があります。研究職・データサイエンティストからの移行、バックエンドエンジニアからの移行、業務システムの開発からの移行がいずれも見られます。生成AI領域では、Web開発の経験者が短期間で主戦力になる例も増えています。

モデル側を深めて機械学習エンジニアになる経路と、AI Product Engineer として事業側に近づく経路が中心です。AI活用の推進責任者に就く人もいます。

隣接職種との違い

職種責任の中心AIエンジニアとの違い
機械学習エンジニアモデルの開発と本番運用モデルそのものを作る。AIエンジニアは既存モデルの活用も含む総称
データサイエンティスト分析による意思決定の支援分析結果が成果物。AIエンジニアは動く機能が成果物
AI Product EngineerAIを使ったプロダクトの価値何を作るかの判断まで含む。AIエンジニアは実装が中心
AI Builder業務の仕組みをAIで組み立てる対象が社内業務に寄る。AIエンジニアはプロダクトへの実装が中心

採用担当の見極めポイント

  • 求人票に「AIエンジニア」とだけ書くと、応募者の経験が想定と大きくずれます。モデルを学習させるのか、生成AIを組み込むのかを最初に書き分けてください
  • 職務経歴書では、本番で使われた実績を確認してください。技術検証で終わった経験と、利用者が使う機能まで到達した経験では、立ち上がりの速さが変わります
  • 評価の設計を経験しているかを聞いてください。出力の品質を測る仕組みを作れるかどうかが、生成AI領域では特に差になります

求人・市場の傾向

需要は増え続けている一方、母集団は求人の増加に追いついていません。特に本番運用まで担当した経験を持つ候補者は限られます。

生成AIを使う機能の実装であれば、Web開発の経験者から育成する選択肢が現実的です。求人票では、既存モデルを使うのか自社で学習させるのかを明記したうえで、扱うデータと業務を具体的に書いてください。

関連キーワード

生成AI / LLM / RAG / evals / プロンプトエンジニアリング / MLOps / AIガバナンス / エージェント

出典